ロッシ談:ホームストレートがヤマハ勢の弱点になるだろう!今日から開幕するMotoGP 第6戦 イタリアGPについて!


今週はマン島TTレースエルズベルグロデオ、ARRC、MotoGP世界選手権と非常に忙しい観戦スケジュールとなっています。
今年もMotoGP世界選手権が黄色の煙幕で覆われる時期が来ました。
今日から行われるMotoGP 第6戦 イタリアGPの舞台のムジェロ・サーキットと言えば、生きる伝説バレンティーノ・ロッシ選手のホームコースで、本人も得意とするサーキットです。
ロッシ以外にもロレンソが得意とするサーキットとしても有名で、昨年のイタリアGPではロッシがポールポジションを獲得し、ロレンソがドカティ移籍後に初優勝したのが去年のムジェロ・サーキットでした。
また、昨年のmoto3クラスの公式予選では、鈴木選手が2番手、佐々木選手が3番手を獲得しました。
今日は、今日から行われるMotoGP 第6戦 イタリアGPのコース紹介、MotoGPクラスの選手より発表されたコメント、タイムスケジュールについて紹介したいと思います。



ムジェロ・サーキット コース紹介

MotoGP第6戦 イタリアGPとなるムジェロ・サーキットは、文化遺産や自然景観に恵まれるトスカーナ地方のフィレンツェから北東へ30kmほどの場所にあります。
丘陵地の美しい森の中に位置する近代的なサーキットで、1988年にフェラーリの所有となり、レース開催に必要な条件に高水準で応えるべく継続的に改修工事を実施しています。
2015年1月には近年の転倒状況を分析し、ランオフエリア拡大と再舗装の改修工事を着手しました。
ムジェロ・サーキットでのグランプリ初開催は1976年で、1991年に大規模な改修工事を実施して以来、毎年イタリアGPの開催地に指定されています。

ムジェロ・サーキットのコースの特徴は、1km以上を誇るメインストレートが挙げられます。
ピットロード合流付近で緩く左右にカーブしていますが、MotoGPで使われるサーキットの中では2番目に長いストレートで、MotoGPクラスでは最高速度は340km/h以上に達します。
ホームストレート以外は、切り返しのコーナが多く、休む暇がないテクニカルコースです。
第1コーナーの「サン・ドナート」は、80km/h台まで速度を落とすタイトコーナーで、コーナーへ進入する際の急減速で外側に膨らむミスが多く見られます。
スリップストリームを使って追い越しても、1コーナーの減速ミスでイン側から抜き返されるなどの順位変動がよく見られるコーナーです。
2〜3コーナー・4〜5コーナー・6〜7コーナーにかけては、3つの中速S字コーナーが続き、8〜9コーナーの「アラビアータ」は進入が下り勾配になっており、出口が上り勾配のダイナミックな連続右コーナーとなります。
10〜11コーナーのシケインを抜け、高速S字コーナーの「ビオンデッティ」を越えた後に、立ち上がり方が悪いとホームストレートの最高速度に影響する最終コーナー「ブーチネ」が待っています。
レース終盤にはポジション争いの勝負所となります。



全長:5.2km
コーナー数:15(左6 右9)
コース幅:14m
ホームストレート:1,141m



ムジェロ・サーキットと言えばメインゲートのヘルメットの形の建物が有名です。
独特な形をしており、他のサーキットとは違う気合を感じさせます。



レースウィークともなると、バレンティーノ・ロッシのトレンドカラーの黄色の煙幕で覆われ、その光景は私の地元 大分県の別府温泉の湯けむりのようにも見えます。



イタリア人にとってイタリアGPは、"お祭り" の様な特別なグランプリと言え、ロッシはその人気から "お祭り""神官" と言える存在でしょう。
コース脇では黄色の旗を掲げ、爆撃のような爆竹が鳴り響き、コース内が見えなくなる程の黄色の煙幕は、まるで浅草寺の常香炉で煙を浴びる日本人と同じ感覚かもしれません。



MotoGPクラスが始まると観客のボルテージは最高潮に達しコース中が黄色の煙幕で覆われ、視界不良で事故が起きないか毎年ヒヤヒヤします。

日本の神楽では、様々な楽器が用いられますが、"ムジェロ祭り" でも楽器が用いられます。
バイクのエンジンに直管マフラー(消音器)というよりも、メガホンを付けた謎の神楽器は我々日本人の祭りばやしのように、「MotoGPイタリア・バイク祭り」を盛り上げるに欠かせない神聖な楽器です。



毎年この楽器に私は注目しているのですが、2016年にこの神楽器は火が吹き出す魔改造が施されていました。
私が毎年チェックしている限り、ここ2年はアップデートが施されてないように思えますが今年はこの楽器にアップデートがあるのか非常に楽しみです!!



こんな感じで、毎年イタリア人ファンの "マナーが良いとは言えない" 暴動ような応援に目を奪われてしまい、ついついレースよりも観客の人たちに見入ってしまいます。
レース終了後に観客が流れ込んできて、コースを観客の原チャリが走ってパドックまで行くなんて日本では考えられませんが、イタリアGPでは観客がやりたい放題です。



人間や原チャリなら、まだ可愛いのですが、過去にはコアなドカティファン達が、自作のドカティ製のスーパーカーでコースに乱入し走り回っていました。(笑)

勿論レースも楽しみにしていますが、イタリア人達の奇行も毎年楽しみにしています。



いつもよりコース紹介が長くなってしまいましたが、ここでイタリアGPを前にMotoGPクラスの選手からコメントが出ているので紹介したいと思います。


以下、MotoGP公式HPより

バレンティーノ・ロッシのコメント

ムジェロ戦がとても嬉しいです。
全てのイタリア人ライダーにとって特別な週末でスペシャルなレースとなり、雰囲気は最高です。
ムジェロは、最も美しいレーストラックの1つです。
本当に好きなトラックですが、全員が非常に速いから難しくなるでしょう。

ムジェロは低速からの加速が少ないので、ルマンよりも速く走ることができるかもしれませんが、非常に長いストレートがあります。
これが僕たちの弱点になるでしょう。
レースウィーク中に良い仕事ができれば、ポジションを守ることができると思います。
戦闘的になるためにベストを尽くし、全力を発揮しなければいけません。


マーベリック・ビニャーレスのコメント

「ルマンの転倒の後、味悪くサーキットを後にしました。
非常に残念なレースでした。
週末を通じて大変良く仕事ができましたが、1列目から非常に遠い後方からのスタートだったことが問題でした。
前回のレースから学び、土曜は懸命に働かなければいけません。

バイクに乗ることが本当に楽しみです。
ルマンではM1に良い感じがあり、ほぼ完璧で非常に速く走ることができました。

僕たちはステップ・バイ・ステップで全ての問題を解決しています。
正しい方向に向かっていることは確かです。
懸命に作業を続けていれば、良いリザルトを獲得できると思います。
ムジェロは好きなトラックで、いつも楽しく走れています。
僕のライディングスタイルに完璧に合うので、週末が楽しみです。」


アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント

「ルマンのような結果を獲得した後に、ムジェロを迎えることはポジティブです。
ルマンではドカティ3台がトップ4に進出しましたが、私たちはもっと上を目指しています。
ムジェロは僕たちのホームレースなので速く走れると思います。
目標は表彰台です。

僕たちのライバルたちは非常に強いから、どんなレースになるか予測は困難です。
ここまでの結果に満足していないので、全力を尽くしデータを検証し、改善できる分野を理解するために仕事を続けます。」


ダニロ・ペトルッチのコメント

「ムジェロを迎える時はいつも好感触があり、ホームコースで走ることは幸せです。
ここ数年で証明したように、デスモセディチがポテンシャルをフルに発揮できるトラックなので、素晴らしいレースにする絶好の機会です。
大きな自信になったルマンの表彰台を獲得した後で、ムジェロを迎えられることが本当に嬉しいです。
僕もチームもやる気マンマンで、目標は上位争いです。」



マルク・マルケスのコメント

「ムジェロでは良い天候に恵まれることを願います。
ベストなリザルトを毎年獲得できたわけではありませんが、ムジェロは好きなサーキットです。
金曜から仕事を積み上げて行けば、良いレースになる自信があります。

僕たちのライバルたちは、このサーキットで非常に強いです。
日曜は楽しいレースになるかもしれませんね。」


ホルヘ・ロレンソのコメント

「フランスでセッティング面で素晴らしい進歩を果たすことができ、上位陣に大きく接近することができました。
過去には、ムジェロでルマンと似たような成功を収めたので、ポジションアップに期待しています。

レプソル・ホンダは懸命に働いていて、彼らに感謝の気持ちを表せる結果を獲得したいです。
獲得できるはずです!!


アレックス・リンスのコメント

「ムジェロはチャンピオンシップの中で最もスリリングなトラックですが、最も要求が厳しいサーキットの1つです。
信じられない群衆に囲まれた中で走りレースをすることは、いつもエキサイティングです。

ルマンはディフェンシブなレースとなり、重要なポイントを稼げましたが、ムジェロでは、より一貫的で効率的になれるように小さなミスから学ぶ必要があります。
ある意味、ムジェロは重要なテストとなるでしょう。

前方から上手くスタートを切りたいです。
バイクに良いベースがあり、全面的に信頼しているテクニカルパッケージのアドバンテージをフルに活かせるようにしたいです。


ジョアン・ミルのコメント

「ムジェロのレイアウトが大好きです。
とてもエキサイティングで、アドレナリンが沸騰します。
フルパワーで走れるのが待ち切れません。

ルマンでのウォームアップラップでの失望から回復する時間があり、これまでの不運を一掃する準備が出来ています。
ムジェロは僕たちにとって厳しい部分もありますが、作業の手段はしっかりしているので僕は楽観的です。」


アンドレア・イアンノーネのコメント

「僕にとって、ムジェロは最もスリルがあるトラックです。
イタリアでの最初のグランプリであり、過去に素晴らしいリザルトを獲得しました。
目標は可能な限り最善の手段で仕事に取り組むことです。
自分たちの限界を知っており、成長して重要な結果を獲得したいです。」



フランコ・モルビデリのコメント

「ムジェロに行くことがとても幸せです。
最高のリザルトを獲得したことがないのでプレッシャーを感じますが、母国イタリアのファンがいて、楽しいグランプリです。

今日までのベストリザルトを獲得できるように、かつてない速さで走れるように頑張ります。
シーズン序盤のリザルトはとても良かったです。
バイクに対して信頼感があり、ファンに会えることが楽しみです。」


ファビオ・クアルタラロのコメント

「ムジェロは開催日程の中で最も難しいサーキットの1つですが、強いパフォーマンスを発揮できるようにプッシュします。
フランスでは後方から素晴らしい反撃をしました。
ファステストラップをマークしたことで、僕たちのペースを証明しました。

ムジェロでは、前方のグリッドから良いスタートを切りたいです。
もし、それができてルマンのようにペースを刻むことができれば、良いレースになるはずです。
金曜から日曜まで天気の良い週末となれば、ここ数戦のポテンシャルが示すように良いリザルトを獲得できるでしょう。

とのコメントが各選手から発表されています。
最後になりますが、MotoGP 第6戦 イタリアGPのタイムスケジュールは以下の通りとなっています。



MotoGP 第6戦 イタリアGP タイムスケジュール

5月31日(
16:00~16:40 moto3クラス FP1
16:55~17:40 motoGPクラス FP1
17:55~18:35 moto2クラス FP1
20:15~20:55 moto3クラス FP2
21:10~21:55 motoGPクラス FP2
22:10~22:50 moto2クラス FP2

6月1日(
16:00~16:40 moto3クラス FP3
16:55~17:40 motoGPクラス FP3
17:55~18:35 moto2クラス FP3
19:35~19:50 moto3クラス Q1
20:00~20:15 moto3クラス Q2
20:30~21:00 motoGPクラス FP4
21:10~21:25 motoGPクラス Q1
21:35~21:50 motoGPクラス Q2
22:05~22:20 moto2クラス Q1
22:30~22:45 moto2クラス Q2

6月2日(
15:40~16:00 moto3クラス WUP
16:10~16:30 moto2クラス WUP
16:40~17:00 motoGPクラス WUP
18:00~ moto3クラス 決勝
19:20~ moto2クラス 決勝
21:00~ motoGPクラス 決勝




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コメント

  1. ロッシに接触、転倒リタイアさす、とんだミサイル野郎なんて居ないと思うけど
    そんな事になればムジェロde暴動・・・

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    1. コメントありがとうございます。
      過去にロッシを1周目で沈めた選手がいましたけどねぇ・・・
      名前は確か・・・アルバ?何とかバウディ何とかだったような・・・(笑)

      ホントあの当時は、バウディスタが今年WSBKでここまで飛躍するとは思いませんでしたw
      今年は一体どんな展開になるのか楽しみです!

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