曙ブレーキ工業 560億円の債権放棄を銀行団に要請!


以前当ブログでも取り上げたのですが、今年の1月に経営に行き詰まり事業再生ADR手続を申請した曙ブレーキ工業が、都内で開催された4回となる債権者会議で銀行団に対して560億円の債権放棄を要請したと日本経済新聞が報じています。
曙ブレーキ工業と言えば、F1やニュルブルクリンク24時間耐久レース、FIA世界耐久選手権のチームにブレーキシステムを供給しており、マクラーレンの市販車にもブレーキシステムが採用されています。
2輪レースでは、2004年にJSB1000クラスへブレーキシステムの供給を開始し、翌年の2005年には曙ブレーキのブレーキシステムを採用しているHonda DREAM RTの伊藤 真一選手がチャンピオンを獲得しました。
近年では、2011年にMuSASHi RT HARC-PROへブレーキシステムの供給を開始し、2013年と2014年の鈴鹿8時間耐久ロードレースの2連覇に貢献しています。



日本経済新聞が報じたニュースは以下のとおりです。
以下、日本経済新聞より引用
経営再建中の曙ブレーキ工業は22日、都内で開いた第4回の債権者会議で銀行団に対して560億円の債権放棄を要請したと発表した。借入金の5割程度に相当する。また同日、8月2日にも債権者会議を開くことも決めた。銀行団は再建計画案を審議し、債権放棄の要請に応じるかを検討する。曙ブレーキは9月18日の会議で再建案を決議し、新しい経営体制を固めたい構えだ。
22日の会議で曙ブレーキは銀行団に対し、事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)を支援企業として選んだことを報告。JISから200億円の出資を受けるとの契約内容や、再建計画案を説明し、債権放棄を要請した。8月2日の会議開催について銀行団の承認も得た。
曙ブレーキは北米の拡大戦略が裏目に出て1月末に事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請した。有利子負債は3月末時点で約1100億円にのぼる。2月以降、債権者会議を開き、銀行団と再建策について協議している。

曙ブレーキ工業 紹介動画



経済は本当に奥が深く、私はこの分野には疎いのですが、有利子負債が1100億円って凄いですねぇ・・・・
560億円の負債を放棄できたとしても約半分の540億円の負債が残る訳ですが、額が大きすぎて一般庶民の私には現実味が沸きません(笑)
とりあえず曙ブレーキ工業が潰れて無くなるという訳ではなく、今後は曙ブレーキが発行する優先株を9月末に事業再生ファンドのJISが買い取り、曙ブレーキは調達した資金で採算性の低い製品の生産を国外に移したり、米国の工場規模を見直したり、電動化を進めた次世代ブレーキを開発したりするそうです。



再建まで時間が掛かるでしょうが、いつの日か鈴鹿8耐に "akebono" のロゴが入ったブレーキシステムを装着したバイクが再びグリッドに並ぶことを祈りながら見守りたいと思います。


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コメント

  1. まだ国内ファンドが支援してる内は再建まで時間が掛かるだろうけどまだ大丈夫だろう
    東アジア系ファンドに売られた時は、解体ばら売り非情なリストラだろう

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    1. コメントありがとうございます。
      東アジア系のファンドに売られたら、きっとシャープとかみたいに悲惨な状況になるんでしょうね・・・・
      新幹線のブレーキや航空機のブレーキも作ってたと思うので、大事な日本の技術が変な国に渡って、会社がメチャクチャになるのは勘弁してほしいと思います・・・

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