前戦の第5戦 イタリアROUNDから約一ヵ月空いての開催となる、6月7日~9日の日程でWSBK 第6戦 スペインROUNDがヘレスサーキットで開催されます。
今回の第6戦には、色々あったテンケイト・レーシングがヤマハとタッグを組み、ライダーのロリス・バズと共にWSBKへ帰ってきます!
また、前戦のイタリアROUNDで負傷したレオン・キャミア選手の代役として、高橋 裕紀選手がMoriwaki Althea Honda Racingから参戦、Team Goelevenのユージン・ラバティ選手の代役として、BSBでパニガーレV4Rを駆るトミー・ブライドウェル選手が参戦する事が発表されています。
さらに、第3戦のアラゴン戦で負傷したレアンドロ・メルカド選手がSBKクラスへ復帰します。
また、ここまでのレースで勝ちまくってるパニガーレV4Rに対し、来シーズンのSBKクラスの公認車両規定が変更される可能性があります。
今日はWSBK 第6戦 スペインROUNDの舞台ヘレスサーキットのコース紹介と、各選手より発表されたコメント、来シーズンのSBKクラスの公認車両規定、タイムスケジュールについて紹介したいと思います。
ヘレス・サーキット コース紹介
年間を通じて好天に恵まれる南スペインのなだらかな丘に建設されたヘレスサーキットは、完成の翌年となる1987年にグランプリを初開催しました。ヨーロッパラウンドの開幕戦に指定され、毎年熱烈なファンがヘレスへ集結し、1997年からは毎年20万人を超える観客が訪れ、2009年にはチャンピオンシップ史上最多となる26万3648人の観客を動員しています。
2005年に路面が再舗装され、コントロールタワー、メディアセンター、ピットボックスの大幅な改修工事を実施しています。
全長:4.4km
コーナー数:13(右コーナー 8・左コーナー 5)
コース幅:11m
メインストレート:607m
パッシングポイントは、ホームストレートから1コーナーへの侵入、6コーナーのヘアピン、最終コーナーの13コーナーとなっており、抜く所が少ないサーキットです。
WSBK 第6戦 スペインROUNDのSBKクラスに参戦する選手よりコメントが発表されていますので紹介したいと思います。
清成 龍一 選手のコメント
「私はヘレスでバイクに一度も乗ったことがありませんが、見た限り良いコースだと思います。てスペインでは常にレースを楽みたいと思います。
先週、ミサノで2日間のテストを行いました。
悪天候でしたが、バイクのセットアップなど、予定していたテストを完了するのに十分なドライトラック時間があったので、最善を尽くす準備が整っています。
新しいトラックは常に挑戦することです。
ヘレスのレースを楽しみにしています。」
高橋 裕紀 選手のコメント
「レオンの怪我については、非常に残念だと思います。彼が迅速に回復できることを願います。
また、ヘレスでレースをする機会を与えてくれたMoriwaki Althea Honda Teamにも感謝しています。
私は過去に何度かヘレスでレースをしました。(2008年のGP250ccで3位獲得)
私はヘレスのトラックが好きで、チームにいくつかの有用なフィードバックを提供したいです。
最善を尽くし、レースを楽しみます。」
トミー・ブライドウェルのコメント
「イモラでは限られた時間でしたが良い仕事ができました。ヘレスでは更に強く走れると思います。私たちは新しいパニガーレV4 Rを理解するために一生懸命努力してきました。私達がファクトリーエレクトロニクスに再び慣れることができれば、バイクは素晴らしくなりプッシュする事ができるでしょう。」レアンドロ・メルカドのコメント
「私の手はだいぶ良くなり、休んでた間に握力の大部分を取り戻しました。私たちはまだモビリティの向上に取り組んでいますが、私は毎日イモラでリハビリをしています。
そしてスペインラウンドまで、まだ1週間があります。(コメント発表当時)
私はレースまでにもっと状態が良くなるだろうと確信しています。
私が今おこなっているエクササイズは、私がバイクでやる動作とは異なりますが、数週間前に私はミニバイクでトレーニングを行いました。
私はヘレスサーキットが好きで、私のライディングスタイルに合います。
左回りのサーキットだと体重の全てが左手にかかるので、まだバイクを左に曲げるのに苦労しているのでヘレスは右回りのサーキットなので、助かります。
タイでのレース私はマシントラブルのため、リタイヤしなければなりませんでした。
今シーズンは厳しいスタートを切ったうえ、怪我をしたので今年の計画と目標を再検討する必要があります。
今、私達はあらゆるあらゆるレースに焦点を合わせ、一歩一歩進む必要があります。
まずは、シーズン初めと同じレベルに戻る必要があります。
私たちはトップ10以内でフィニッシュし、各レースでインディペンデントチームで1番にフィニッシュすることを目指しています。
今まで不幸な事が多かったですが、ヘレスから物事が良くなっていくことを願っています。」
ロリス・バズのコメント
「テストの時の天気は良くありませんでした。ですが、私たち全員がスーパーバイク選手権に戻って来れて とても幸せです。
私たちは2日間で多くの仕事をこなすことができました。
私はペースを見つける時間が必要でした。
チームは全てのシステムを新しいバイクで学ぶ必要がありました。
まだ学ぶことがたくさんあります。
私は走るたびに速くなり、良いペースを持っていました。
しかし、私はヤマハのバイクの走らせ方を学ぼうとしていたので、私はフレッシュタイヤでタイムアタックしませんでした。
ヘレスでのレースを楽しみにしています。
ヘレスが私たちにとって "テストセッション" になるので、今シーズンは1ラウンドに3レースあることに興奮しています。
金曜日にベースセッティングを見つけ、自分のペースを見つけるのに役立つようにしたいです。
毎戦改善して行き、ラウンドごとに差を縮めたいです。
私は本当にそれを楽しみにしています。」
とのコメントが各選手より発表されています。
ロリス・バズのコメントですが「復帰戦となるヘレスでは、遅くても俺たちにとっては "テストセッション" だから!!」と事前に言い訳をしているような気がしてなりません・・・
そんなこと言わなくても、テスト時間も足りずシーズン途中からの参戦なので当たり前なのですが・・・
私はそんな事よりも、過去にチームオーダーを破り、ツイッター上で赤裸々に口喧嘩したチームメイトのトム・サイクスとの人間関係の方が気になりますが・・・・
気になると言えば記事冒頭でも少し紹介したのですが、来シーズンからSBKクラスの公認車両規定が大幅に変更になる可能性があります。
現在WSBKに参戦可能な市販車は、車両価格が40,000ユーロ(約500万円)以下で、生産台数が500台以上のバイクです。
ざっとヨーロッパでの各メーカーのバイクの値段を調べた限り、RSV4 RF が24,409ユーロ、YZF-R1M が26,899ユーロ、ZX-10RRが27,675ユーロと、ドカティ以外のメーカーが2万ユーロ台での販売に対し、パニガーレV4Rが39,990ユーロと車両設定価格ギリギリで販売しています。
また、バウディスタが使用しているエンジンはMotoGPクラスのデスモセディッチGP15と同じ物を使用しているとの話もあり、カワサキのギム・ロダ氏は、「小規模生産モデルを作るという点では、ドカティと同じ哲理で取り組むことができるでしょう。」とコメントしており、パニガーレV4Rと同じように、2020年はカワサキが40,000ユーロに近い価格のZX-10RRを販売することが予想されます。
※その辺はコチラの記事に掲載しています。
SPEED WEEK.comによりますと、ホンダとヤマハもカワサキ同様に40,000ユーロ相当のハイスペックモデルの生産を検討しているようで、生産コストなどが高くなってしまう事から、SBKクラスの公認車両規定を "2年間で500台の製造" から "最低で50台の製造" に変更しようとしていることが検討されているそうです。
一時期、WSBKでは3000台の製造が必須の時期もありましたが、50台の製造で済むとなるとアプリリア、MVアグスタ、スズキがWSBKへ復帰しやすくなるのではないか?と言う意見もありますが、一般ユーザーが購入するSTDモデルと 50台限定製造されるWSBK公認車両のスペックが掛け離れすぎるので、ユーザーが満足できるのか?という意見が挙げられているようです。
今後も検討が続けられ、来年の公認車両規定がどうなるかは現段階では未定ですが、一体どういった方向性で折り合いをつけるのでしょうか?
50台の生産でいいのであれば、是非ともEBR (エリック・ビューエル レーシング)にも復活して欲しいと思います!(笑)
最後になりますが、WSBK 第6戦 スペイン ヘレス ROUNDのタイムスケジュールは以下の通りです。
WSBK 第6戦 スペイン ヘレス ROUND タイムスケジュール
6月7日(金)16:00~16:30 WorldSSP300 FP1 A
16:45~17:15 WorldSSP300 FP1 B
17:30~18:20 WorldSBK FP1
18:30~19:15 WorldSSP FP1
20:30~21:00 WorldSSP300 FP2 A
21:15~21:45 WorldSSP300 FP2 B
22:00~22:50 WorldSBK FP2
23:00~23:45 WorldSSP FP2
6月8日(土)
16:00~16:20 WorldSBK FP3
16:30~16:50 WorldSSP FP3
17:00~17:15 WorldSSP300 FP3 A
17:25~17:40 WorldSSP300 FP3 B
18:00~18:25 WorldSBK スーパーポール
18:40~19:05 WorldSSP スーパーポール
19:20~19:40 WorldSSP300 スーパーポール A
19:50~20:10 WorldSSP300 スーパーポール B
21:00~ WorldSBK 決勝レース1
22:15~ WorldSSP300 ラストチャンスレース
6月9日(日)
16:00~16:15 WorldSBK WUP
16:25~16:40 WorldSSP WUP
16:50~17:05 WorldSSP300 WUP
18:00~ WorldSBK スーパーポールレース
19:15~ WorldSSP 決勝レース
21:00~ WorldSBK 決勝レース2
22:15~ WorldSSP300 決勝レース
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高性能バイク開発が祟ってメーカーが撤退するような流れにならなるのでは?不安な面もありますが。
返信削除EBRもどこかの資産家が立て直しくれるとよいのですが、あれから音沙汰ですね。
コメントありがとうございます。
削除限定モデルを生産するとすれば、恐らくメーカーも50台ギリギリ近くしか作らないでしょうからね・・・・
限定モデルがSTDモデルと違う所と言えば、バルブ等の素材やシャーシ等になり基本設計はそれほど変わらないと私は思うのですが、(とか言ってニューマチックバルブを採用したりして・・・)そうなると50台の限定モデルは赤字生産になるでしょうからSTDモデルで元を取るでしょうから、STDモデルはやはり値上がりしそうな気がします。
メーカーとしては(アプリリアやMVアグスタ)、お金をかけて50台だけ限定モデルを作ったが、STDモデルが売れないため "どちらも赤字で採算が取れない"という状況に陥るかもしれませんね。
少量生産のスペシャルな限定モデルってのは、庶民が頑張っても買えないモデルになってしまうし
返信削除確かに製造台数を減らせばメーカーはノルマをクリアしやすいし参戦メーカーも増えるかも?
現在の車両価格が40,000ユーロ以下なら次は35,000ユーロに設定すれば面白いんじゃないかな
なるほど。
返信削除上限価格を下げる案ですね。
35,000ユーロでも約400万円超えるので安いとは言えませんが、上限価格が安くなるとなれば、メーカーが1台当たりの設計費やラインコストを下げる為に50台以上生産するかもしれませんね。
ちょうど折り合いの付く価格設定が、各メーカーのバイクの原価が解らないので35,000ユーロなのか30,000ユーロなのかは不明ですが、市販車最速レースなので上限価格を下げて一般ユーザーが購入するであろうSTDモデルとスペック差が小さくなる可能性が十分考えられるので、価格を下げるのは良い案かもしれませんね。