日本時間の4月12日~15日の日程で、MotoGP第3戦 アメリカGPがサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(略称COTA)で行われます。
大会2日目は天候が心配されており、moto3クラスはウェットコンディションで公式予選が行われましたが、MotoGPクラス、moto2クラスはドライコンディションで公式予選が行われました。
昨日の記事で、今回のアメリカGPからホンダが投入したスイングアーム下のエアロデバイスについて少し触れましたが、ロッシもヤマハ陣営にスイングアーム下のエアロデバイスの導入を要望したようです。
また、今回のアメリカGPを前に "決勝レースのスタート前後にバイクがストールした場合に関する手順" が制定され、即時施行となりました。
そして、今回の公式予選中にホルヘ・ロレンソのバイクがホームストレート上で停止し、ロレンソはピットまで走ることになったのですが、走る姿をMotoGP公式Twitterがまたしてもネタにしています(笑)
今日は、昨日行われた各クラスの公式予選の結果、予選後に選手より発表されたコメントと、ロッシがヤマハ陣営に要望したエアロデバイスについて、決勝レース前に変更されたスタート前の規則、大会最終日のタイムスケジュールについて紹介したいと思います。
第3戦 アメリカGP moto3クラス 公式予選1結果
※画像クリックで拡大します。第3戦 アメリカGP moto3クラス 公式予選2結果
※画像クリックで拡大します。moto3クラスのアメリカGP公式予選はウェットコンディションの中行われ、初日総合3番手のニッコロー・アントネリが今季初のトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得しました。
初日総合22番手で、Q1から予選に挑んだラウル・フェルナンデェスがQ1で3番手に付け、Q2では0.501秒差の2番手を獲得。
3番手には、初日総合8番手のガブリエル・ロドリゴが0.783秒差の3番手に入りました。
moto3クラスに参戦している日本人選手の結果ですが、
初日総合2番手の鈴木 竜生選手は、1.290秒差の7番手。
真崎 一輝選手は転倒してしまい16番グリッドからスタート。
佐々木 歩夢選手は17番手、小椋 藍選手は19番グリッドからのスタート、鳥羽 海渡選手はQ1で転倒してしまい24番グリッドからのスタートとなります。
第3戦 アメリカGP moto2クラス 公式予選1 結果
※画像クリックで拡大します。第3戦 アメリカGP moto2クラス 公式予選2 結果
※画像クリックで拡大します。moto2クラスのアメリカGP公式予選はドライコンディションで行われ、初日から絶好調のマルセル・シュロッターがトップタイムをマークし、ポールポジションを獲得しました。
2番手には、初日総合3番手のアレックス・マルケスが0.058秒差で2番手を獲得。
サム・ロウズが0.248秒差で3番手を獲得しました。
moto2クラスに参戦している日本人選手の長嶋 哲太選手ですが、トップから1.654秒差で14番グリッドから決勝レースをスタートします。
第3戦 アメリカGP MotoGPクラス 公式予選1&2結果
※画像クリックで拡大します。MotoGPクラスのアメリカGP公式予選の結果は、マルク・マルケスがトップタイムを記録し、COTAで7年連続となるポールポジションを獲得しました。
2番手には、バレンティーノ・ロッシがマルケスのタイムから0.273秒差で2番グリッドを獲得。
カル・クラッチローが0.360秒差で3番手を獲得しました。
サプライズは、初日総合7番手でKTM勢トップだったポル・エスパルガロが公式予選で5番手を獲得しています!
MotoGPクラスに参戦している中上 貴晶選手ですが、Q1を5番手で終わり、決勝レースは15番グリッドからスタートします。
アメリカGPを前にFIM国際モーターサイクリズム連盟より発表され、今回より即時施行となる規則変更ですが、以下の通りです。
現行の規則では、レーススタート前のウォームアップラップ後に、グリッド上でストールしたバイクをスタートする試みは禁止されている。援助を必要とするライダーは、ピットレーンに移動しなければいけない。
ただし、ウォームアップラップのスタート時にバイクがストールした場合は、ウォームアップラップへの合流を試みるために、短期間でリスタートを試みる目的で援助を受けることが許可される。同じことが、レーススタート後にストールしたバイクにも適用され、グリッド上でリスタートを試みるために援助が許可される。各状況(ウォームアップラップのスタート、レースのスタート、レーススタート後)に対する現行の規則では、許可されることに関して重要な瞬間に決断を下さなければいけないチームとグリッドマーシャルに混乱をもたらし、援助を受けられるマーシャルが近くにいる場合と、いない場合があるかもしれないという潜在的な不公平がある。今日、全てのクラスのバイクはプッシュスタートが難しく、チームのメカニックがライダーを援助するためにスターターエンジンを持参してグリッドに再度進入するという危険性があり、明らかに安全上の理由から許可することはできない。手順をより安全、明確、公平にするために、同じ手順が今後、全ての状況に適用される。ウォームアップラップのスタート時に、ストールしたバイクはリスタートすることができず援助を受けるために、即時にピットレーンへ移動しなければいけない。もし、ピットレーンが閉鎖される前にピットレーンから出ることができれば、ウォームアップランに合流し、グリッドの最後尾からレースをスタートさせることができる。レースのスタート前後に、バイクがグリッド上でストールした場合、援助を受けるためにピットレーンに移動しなければいけない。チームのスタッフと装備は、ウォームアップラップ、もしくはレースのどちらかでグリッド上から立ち退いた後、グッドに戻ることはできない。
との発表です。
要するにライダーは手を挙げてピットレーンへ移動すれば、後はマーシャルの指示に従えば良いのかな?
そんな感じだと思います!
MotoGP第3戦 アメリカGPの公式予選後にMotoGPクラスのライダー数名からコメントが発表されているので紹介したいと思います。
以下、MotoGP公式HPより
マルク・マルケスのコメント(アメリカGP 公式予選 トップタイム)
「ポールポジションは嬉しいですが、明日に向けて何も保証されていません。今日はベストタイムをマークしましたがFP3が中止になったことで、誰もペースとタイヤが解っていません。
明日のウォームアップ走行で失った時間を挽回するために、上手く作業しなければなりません。
昨年はある程度のアドバンテージがありましたが、今年はライバルたちが接近しているのでどうなるか解りませんでした。
問題があり、解決しなければいけません。
何が問題かを言うことはできないけど、1速で駆け抜けるコーナーで苦労しています。
以前はそこが僕たちのストロングポイントでしたが、今は弱点となっています。
明日に向けてレースペースの仕事をしないといけません。
ヤマハのバイクは機能しています。
ビニャーレスは予選で苦戦していましたが、ペースは最も速いです。
バックストレートで横風が強く怖かったですが解決できます。
他車と比べて、僕たちのバイクは大きく振られました。
風が弱まるか注目したいです。」
バレンティーノ・ロッシのコメント(アメリカGP 公式予選 2番手)
「難しいですが優勝に向けて挑みたいです。今年はマルクとのギャップが少ないようですが彼が最も強いので、簡単には行かないでしょう。
昨年はマーベリックと一緒に良い結果だったので、このトラックでバイクが上手く走ることは確かです。
カタールの日曜から良い方向に向かって進んでいます。
アルゼンチンではバイクとタイヤについて良い仕事ができ、今日は強さを感じました。
僕たちはボックス内で良い仕事ができていて、バイクを上手く走らせています。
FP3がキャンセルとりました。
強風で難しかったのですが、トラックコンディションが大きく良くなりました。
FP4でスリックタイヤを使用できたことで、バイクの走らせ方を理解しました。
今日試せなかったことを明日のウォームアップ走行で試します。
タイヤの正しい選択が必要です。」
カル・クラッチローのコメント(アメリカGP 公式予選 3番手)
「バレンティーノが2番手で僕が3番手です。これはもしかしたら年の功かもしれません。
良い感じですが、1ラップで3回もフロントグリップを失って転びそうになったので、あまり満足できません。
昨日からセッティングを変更したのですがFP3が無くなったので、予選をテストのように利用する必要があり、全てのヘアピンでフロントを失って転びそうになりました。
それと、ブレーキングでプッシュし過ぎてしまい自分自身に腹が立ちました。
濡れたセッションで誰もマルクに接近することができず、2秒も離されてしまいましたが僕たちは良い仕事をしました。
チームはとても良く働いており、チームとバイクに対して嬉しいです。」
ポル・エスパルガロのコメント(アメリカGP 公式予選 5番手)
「壮観です!誰もこの結果を期待してなく、僕自身も期待してませんでした。1度目のトライは苦戦し、2度目のトライでマーベリックに食らいつくことができました。
あのようなラップをするには、追いかける能力が必要となります。
僕は何度も限界を越えたと思います。
レースペースは難しいですが、1ラップならアグレッシブになれます。
これは僕たちのポジションではありませんね。
僕たちのポジションはもっと後ろですが、全てが完璧で計画していた以上に良かったです。
明日のスターティンググリッドを楽しみます。
レースが楽しみですが、プレッシャーはありません。」
マーベリック・ビニャーレスのコメント(アメリカGP 公式予選 6番手)
「とても難しい予選になりました。正直、強風がこれほどバイクに影響を与えてしまうなんて思ってませんでした。
旋回が非常に難しく、バイクが非常にアグレッシブになってしまい振られっぱなしでした。
良い感じがなく、プッシュすることができませんでした。
明日を待ち、レース中は良くなることを期待します。
予選中に怖い瞬間が沢山ありましたが、今日のことを学ぶ必要があります。
次に強風となった日は、同じ問題を抱えたくないですね。」
アレックス・リンスのコメント(アメリカGP 公式予選 7番手)
「僕たちのポジションに位置できました。3列目7番手グリッドは良いポジションなので、楽しいレースになるでしょう。
マルケスはスタートから全開でプッシュするでしょうね。
僕もスタートからプッシュします。
彼に食らいつくために全力を行きます。
そうでなければ、可能な限り上位に位置するよう心がけます。
僕は違う走り方を要求されず、タイヤの消耗は激しくありません。
ここはコーナーが多いですが、セッションでは影響がありませんでした。
コースインするとき、僕は常に全力を尽くします。
表彰台を争うのか、優勝を争うのかはレースの状況次第です。
カタールでは優勝を争いましたが、結果として4位でした。
アルゼンチンは5位だったので明日が楽しみです。」
ホルヘ・ロレンソのコメント(アメリカGP 公式予選 11番手)
「天候が原因で困難な1日になってしまい、時間を失いました。Q1で強さを感じ、Q2に進出するために強烈にプッシュしましたが、問題が発生したので計画を変更しました。
異なることを沢山試していたので、2号車のセッティングは1号車と違っており、全てのポテンシャルを発揮することができませんでした。
明日は毎年のようにフィジカルなレースとなるでしょう。」
Two riders, different years, same story 🏃♂️— MotoGP™ 🇺🇸 (@MotoGP) 2019年4月14日
After suffering a slipped chain in #AmericasGP Q2, @lorenzo99 had to run back to the box to jump on his second bike, just as @marcmarquez93 did in 2015 😱
What an effort from Jorge, who is still recovering from several injuries! 💪 pic.twitter.com/6bRDXOI8QL
アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント(アメリカGP 公式予選 13番手)
「今日の予選は本当に困難でした。トラックコンディションは少しデリケートで、強風が原因で期待していたスピードに乗って高速コーナーをクリアできませんでした。
Q2に進出できなかったことは残念だでしたが、前を見なければいけません。
天候が原因で、レースに向けて考えていた仕事ができなかったことは不運でしたが、自分たちのポテンシャルを知っています。
挽回できるはずです。
良いスタートを切り、いつものように可能な限りのベストリザルトを追求しなければいけません。」
とのコメントが発表されています。
記事冒頭で紹介したスイングアーム下のエアロデバイスですが、ホンダは以下画像のデバイスを今回のアメリカGPへ持ち込んでいます。
ドカティに続き、ホンダが真っ先にスイングアーム下のエアロデバイスを投入した形になるのですが、バレンティーノ・ロッシがインタビューに答えた際にヤマハ製のスイングアーム下のエアロデバイスについてコメントしているので紹介したいと思います。
バレンティーノ・ロッシのコメント
「私のバイクを作業してくれるグループはヤマハのエンジニアたちを含めて、とても良く機能していて、彼らと一緒に働くことは喜びです。僕たちは正しい方向に向かって進み始めたと考えており、この2年間で僕たちは沢山の過ちを犯してきたので時間が必要です。
その上、ホンダとドカティは非常に強いです。
スイングアームのデバイスは、僕たちにとって重要になるかもしれません。
リアタイヤの温度をそれほど上昇させないなら役立つと思います。
ヤマハにはテストをすることを要求しました。
僕たちは、既にウェットで使用可能なデバイスを持っています。
ここ数年間、ホンダとヤマハはシーズンを通じてバイクを大きく進化させてきたので、今シーズン中に組み込めることを期待しています。」
とのコメントです。
確実にスイングアーム下のエアロデバイスは全メーカーが投入する流れになってきましたね。
業界を引っ掻き回したり、何だかんだありますがウイングレットを始め、2輪の最高峰レースで空力に革命をもたらしたジジ・ダッリーニャ氏って、やっぱり凄い方ですね。
ヤマハがどういった形状のスイングアーム下のデバイスを投入するのか、楽しみに待ちたいと思います。
最後になりますがMotoGP第3戦 アメリカGPの本日以降のタイムスケジュールは以下の通りです。
MotoGP第3戦 アメリカGP タイムスケジュール
4月14日(日)22:40~23:00 Moto3 Warm Up
23:10~23:30 Moto2 Warm Up
23:40~00:00 MotoG PWarm Up
4月15日(月)
01:00~ Moto3 決勝レース
02:20~ Moto2 決勝レース
04:00~ MotoGP 決勝レース
今年もマルケスがCOTAで優勝を決めるのか!?
それとも波乱は起きるのか!? 決勝レースから目が離せませんね!
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ホンダの新パーツは空気をよく受け止めそうな形状してますね
返信削除これは効果的にタイヤを冷やしてトラクションを稼げそうですな
コメントありがとうございます。
削除若干ドカティとは形が違いますが、大きすぎると抵抗になり、タイヤが冷えすぎたりするんでしょうか?
そんなに効果があるなら、4時間タイヤ交換無しで走る鈴鹿4耐に最適なパーツだと思うのですが・・・