2019年度のMotoGPがカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開幕し、moto3クラスの決勝レースで鳥羽 海渡選手が最終ラップのホームストレートまで続いたトップ争いを制し、決勝レースで鳥羽選手が見事優勝を果たしました!!
開幕戦のカタールGPは時差がキツく、見逃した方も多いと思うので昨日の決勝レースの動画を置いておきます。
開幕戦のリザルトについては、コチラのページに掲載しているのでリザルトが気になる方はご覧ください。
また、決勝レース後にアプリリア、KTM、ホンダ、スズキがデスモセディチGP19に搭載されたスイングアームのエアロダイナイックスデバイス(一説によるとリアタイヤのヒート対策とも言われている)に関して抗議をしています。
発表によると、現時点で開幕戦カタールGPの結果に変更はないそうです。
今日は昨日行われたMotoGP第1戦 カタールGP 各クラスの動画と、4チームよりドカティに出された抗議の件について、決勝レース後に発表された各選手のコメントを紹介したいと思います。
MotoGP第1戦 カタールGP moto3クラス 決勝レース動画
MotoGP第1戦 カタールGP moto2クラス 決勝レース動画
MotoGP第1戦 カタールGP MotoGPクラス 決勝レース動画
記事冒頭で紹介した4チームによるドカティへの抗議の件ですが、アプリリア レーシング チームグレシーニ、レッドブル KTM ファクトリーレーシング、レプソル ホンダチーム、チーム スズキ エクスターから、アンドレア・ドヴィジオーゾ、ダニロ・ペトルッチ、ジャック・ミラーの使用したデスモセデッチに搭載されたスイングアームのエアロダイナミクスデバイスに関して抗議が出ています。
今回の抗議の件に関しては海外のメディアでも取り上げられており、"なぜ今回このパーツが問題になっているのか?"ということですが、レギュレーションによると空力パーツは稼働してはいけない事になってるからだそうです。
このパーツはスイングアームに取り付けられているため、稼働するエアロパーツという事になります。
今回、ドカティ陣営はフリープラクティスからこのパーツを使用していますが、レギュレーションによるとフリープラクティクスや予選では、エアロパーツは色々試せるようになっており、決勝レースでこのパーツを使用したことにより、見方によっては"稼働するエアロパーツに認可が下りた"という事になってしまいます。
また、このエアロダクトはリアタイヤ周りの空気を集めて、リアタイヤの温度上昇を防ぐパーツとも言われています。
この件に関しては、レース前にアプリリアレーシングCEOのマッシモ・リヴォラ氏がドカティ・ゼネラルディレクターのジジ・ダッリーニャ氏に忠告していたそうです。
結局この件は、現行のガイドラインとレギュレーションに基づき、抗議を却下したと発表されましたが、MotoGP控訴裁判所に付託することになりました。
発表によると、現時点で開幕戦カタールGPの結果に変更はないそうです。
開幕戦のカタールGPを終えて、MotoGPクラスに参戦している数名のライダーよりコメントが発表されていますので紹介したいと思います。
アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント(カタールGP 決勝レース1位)
「今日のレースは、理論的なレースではありませんでした。僕たちのバイクと特性が大きく異なるバイクに乗るリンスは非常に強かったです。
彼は早い段階でプッシュしてきたので、僕は逃げられないようにするために抜き返しました。
今日はタイヤをセーブするのに苦労しました。
終盤は週末を通じて非常に強かったビニャーレスが来ると思っていました。
ペトルッチとマルクも来るだろうと考えていました。
マルケスは僕と同じように加速が強かったですが、ブレーキングはそうでもなかったです。
マルクは非常に強いく、いつも勝利に向けて挑んできます。
彼以外にあのコーナーに突っ込んで来るライダーは誰もいません。
しかし、僕のラストラップは完璧でした。
今シーズンは、レベルが高くなり表彰台を争えるライダーが増えているので、僕たちは改良が必要です。
今シーズンが読めず、このレースだけでは何も言うことができません。
ホンダは変化しました。
どのくらいの変化なのか解らないので、他のトラックで確認しなければいけないでしょう。
現時点で予想することは無意味だと思います。
苦戦するトラックで大きくポイントを失ってしまうかもしれません。
週末が良くても、決勝では何も保証されないので地に足をつけて仕事を続けなければいけません。」
マルク・マルケスのコメント(カタールGP 決勝レース2位)
「僕は優勝に向けてチェレンジしないと落ち着きません。今日は勝てませんでした。
ドヴィジオーゾへのアタックは昨年と似ていました。
ドヴィに「同じようなことはしないと思っていた」言われましたが僕はもう一度挑戦しました。
テレビで観戦していた人たちは、思わずソファーから立ち上がったでしょうね。
今年のバイクはよく走るのでスリップストリームを使い、ドカティに並ぶことができました。
バイクのキャラクターは昨年型とは違います。
ドヴィは最終ラップが速かったです。
僕はトラクションがなく、最後はタイヤが無くなっていました。
僕が感じている以上に期待せず、1戦ごと大事に戦いたいです。
プレシーズンに好調だったライダーたちがいますが、悪いことに備えておいたほうが良いと思います。
レース中は一番ペースが良かったビニャーレスを探しました。
そして、リンスです。
ここではエンジンが影響しましたが、GSX-RRのシャーシは素晴らしいです。
欧州ラウンドでは彼が来るでしょう。」
カル・クラッチローのコメント(カタールGP 決勝レース3位)
「MotoGPのレースに戻れたことは最高です。それも表彰台フィニッシュでき、チームは最高の仕事をしてくれました。
テストは僕にとって時間の無駄だったので、僕たちは懸命に働きました。
難しい週末だったので、ウォームアップ走行後に表彰台フィニッシュできるか聞かれたら、笑っていたでしょうね。
レースでは自分のカードで勝負しました。
レースが始まると良い感じがあり、マルクと僕は似たような戦略でした。
リアタイヤを温存して、物事を少しマネージングしました。
僕のチーム、ライダーたち、観戦に来てくれたファン、家でテレビ観戦した人たちにとって、今シーズンの素晴らしいスタートです。
全てのレースにいつもバトルが展開されるでしょう。
レースに参戦でき、表彰台を獲得できて嬉しいです。
怪我をして、復帰できるか分からなかったので正直 夢のようです。」
アレックス・リンスのコメント(カタールGP 決勝レース4位)
「フラストレーションを感じます。今日は優勝できるポテンシャルがあったと思います。
スズキは長所も短所もあり、ストレートが長いことは解かっていました。
レースペースが非常に遅かったので、引き離すために前に出ようと試みましたが、ドヴィとマルケスにストレートで抜かれてしまいました。
今日は難しいレースになることを覚悟していました。
僕たちにとってベストトラックではありませんが、良い感じがありました。
自分たちのレース内容が嬉しいです。
タイヤは完璧な状態で終わっていました。
冬の間に取り組んで来た全てのハードワークを証明しました。」
バレンティーノ・ロッシのコメント(カタールGP 決勝レース5位)
「僕たちは懸命に働きました。セッティングを調整し、レース前にもアジャストしました。
僕たちは良い仕事をし、良いレースになりました。
バイクに良い感じがあり、後方からの巻き返しを楽しみました。
レースを5位で終われ、特に0.6秒差だったことが良かったです。
表彰台に挑みましたが、十分な強さがありませんでした。
問題は昨年と同じですね。
リアのグリップに苦しんでいます。
バイク自体は良いんです。
そうでなければ、トップにこれほど接近できないでしょう。
問題はトップスピードだけでなく、アクセラレーションも改善が必要です。
土曜のマーベリックは凄かったけど、問題は他のライダーたちと一緒に走る時です。
上位陣は戦略があります。戦略はタイヤが左右するんです。」
マーベリック・ヴィニャーレスのコメント(カタールGP 決勝レース7位)
「ポジションを挽回しようとしましたが、1コーナーで突っ込み過ぎてしまいました。今日は本当にバトルしました。
オーバーテイクをしようとしましたが、リアに良いグリップがありませんでした。
もしトップにで走れていたら、ハイペースを維持することができたでしょう。
僕たちは加速が不足してました。
一度もオーバーテイクをする機会がなく、十分に接近できませんでした。
他車のグリップが低下したときにチャンスが生まれ、前に出れました。
問題は明白で、リアのグリップ不足が原因です。
moto2クラスの後のレースだと僕たちは苦戦します。
改善をを続けなければいけません。」
ホルヘ・ロレンソのコメント(カタールGP 決勝レース13位)
「序盤に幾つかの問題があり、3~4秒も失いました。クラッチのシステムを取り換えましたが、それが原因で後退しました。
クラッチを焼き付けないようにするため、半分の燃料で数ラップを走ることを強いられました。
今日は13位以上のポテンシャルがありました。
バイクのポテンシャルに疑いはありません。
不運がなければ、僕たちは強かったでしょう。
今日は全員にとってサバイバルのレースとなりました。
遅いペースでしたが、僕は上位陣に接近することができませんでした。
昨日の転倒で全てが悪くなり、状況が一転しました。
全てが上手く行くように思えた週末でしたが、悪い事が起こりました。
転ばなければ、2列目か3列目からスタートでき、力強く走れていたでしょう。
最終的なポジションは期待通りではありませんが、ポジティブなことが沢山ありました。
昨日の転倒は非常に強烈で特に背中が痛く限界だったので、レースウィークが始まった時よりも遅くなってしまいました。」
とのコメントです。
マルケスのコメントでGSX-RRのシャーシに関してベタ褒めしており、ヨーロッパラウンド以降にリンスの活躍を予言しています。
マルケスが他メーカーのバイクを認め、他のライダーの活躍を認めるのは珍しいと思うのですが、よっぽどマルケスにとってGSX-RRは無視できないバイクになったんだなぁ~と思います。
ビニャーレスの順位に関しては、予選後に記事で少し取り上げたのですが、思った通りになってしまいました・・・
なんだかんだ言って、YAMAHAで一番バイクの事を解っているのはロッシなんだなぁ~と今回のレースで私は実感させられました。
カタールGPが終わって、ロッシの出したコメントを読むと"まさにその通り"だと思うし、ヤマハのライダーの中で、一番ロッシのコメントが説得力があるように思います。
ビニャーレスは凄い才能を持ったライダーなのは認めるんですが、コメントを出すときは良い時も悪い時も、その場のテンションでコメントせずアスリートなんだからもう少しクールで的確なコメントを出せるようになれば、メンタル的にも成長した証なのかな?と思います。
さて、次回のMotoGPですが3月29日~31日の日程で行われるアルゼンチンGPとなります。
MotoGPクラスの決勝レース時間が日本時間の4月1日午前3時と、カタールGPよりもキツいスケジュールになっているので生で観戦するには気合が必要ですね!
果たして、アルゼンチンGPでは誰が勝利の栄光を手にするのでしょうか!?
人気ブログランキング
KTMが抗議してるのは意外だなぁ
返信削除KTMのCEOは『レギュレーション違反にならないなら、真似しちゃおっ金は有るし』て思ってそう
ザルコが
「あの時スズキに行ってればなぁ」「ヤマハファクトリーマシン使えてたらなぁ」
「レプソルホンダに加入できてればなぁ」「せめてオーリンズ使えたらなぁ」
と、思ってなければいいけど・・・
コメントありがとうございます。
削除ザルコに関しては、moto2時代にGSX-RRをテストして8耐にもスズキから出る予定になっていて、実質内定を貰っていたにもかかわらず、スズキがドカティから放出されたイアンノーネを獲得し、契約解除されてますからねぇ・・・
ザルコがKTMを選んだのは、当時の時系列を思い出せばそうせざるを得なかったように思えます。
去年の2月にはザルコの所属していたテック3がYAMAHAと提携を止める噂が流れ、去年の3月には所属していたテック3がKTM入りを正式発表し、しかもファクトリー仕様のバイクがテック3に与えられることを発表していますからね。
去年の3月ごろにレプソル・ホンダと何か話があったようですが、当時所属していたテック3がKTMに行くわけですし、ファクトリーバイクに飢えていたザルコにしてみれば、あの時一番納得のいく選択だったと思います。
ザルコはカタールGPの決勝レースで初めてレース距離を走り切ったようですし、開発時間が全然足りてないことが明白で、まだ行うべき事が沢山あるので、私は彼の性格を考えると現段階では後悔してなくて前を向いてるんじゃないか?と思います。
WPサスペンションに関しては、moto2時代にザルコはWPサスペンションを使用し、2度の世界タイトルを獲得していますから、オーリンズを求めてないような気がします。
逆にザルコの言う通りにスペシャルサスペンションを作ってくれるかもしれませんしね。
まぁ~どう思ってるかは、ザルコに聞いてみないと解りませんが(笑)
モトGP、期待のフランス人ライダー枠がザルコからクアッタハッホに代わってしまったのは
返信削除時代の流れの早さを感じますが・・・
コメントありがとうございます。
返信削除レースの世界なので、使うマシンや所属チームによって期待度が変わるのは仕方ない事ですよね。
それに、テストから速さを発揮しているクアタラルロの才能は凄いですからね。
もしかしたら、KTMも今シーズン中にバイクが大幅に改善されて、来季はGSX-RRのような活躍を見せるかもしれませんよ?