WSBK開幕直前テスト初日結果とSBKクラス 2019年シーズンの回転数制限について!


2月22日から開幕するスーパーバイク世界選手権を前に、開幕戦の舞台となるフィリップアイランド サーキットでは、2月18日~19日の日程でSBKクラスとSSPクラスによる開幕直前テストが行われています。
シーズン開幕まで1週間を切っているタイミングで発表するのは遅すぎる気がしますが、SBKクラスの回転数制限がFIMより発表されました。
FIMの発表によると、今シーズンからフルモデルチェンジしたパニガーレV4RとS1000RR、2019年型でエンジンが変わったZX-10RRの3台は新型とみなし、開幕戦は回転数制限の縛りが無い状態からスタートします。
どうやら、ホモロゲーション車両のレブリミット+3%の回転数がリミットととして設定されるようです。
従来のモデルからエンジンに変化の無い、他メーカーの車両はレブリミットが設定された状態からスタートとなります。


開幕戦の各メーカーの回転数制限をまとめると以下の通りになります。

2019年シーズン SBKクラスの回転数制限 車両一覧

Kawasaki ZX-10RR:14,600回転
Ducati Panigale V4R:16,350回転
BMW S1000RR:14,900回転

YAMAHA YZF-R1M:14,700回転
HONDA CBR1000RR SP2:14,550回転
SUZUKI GSX-R1000R:14,700回転
Aprilia RSV4RF:14,700回転
MV Agusta F4RR:14,950回転

上記のレブリミットが開幕戦から適応され、今後のテストやレース結果により上下250回転の範囲で調整を行っていくそうです。

レブリミット制度に反対派の私としては、「うーん・・・」としか言いようがありません。
こうなってくると、どのメーカーも飛びぬけて速いバイクを作る意味合いが無くなってくる気がします・・・
2019年モデルのZX-10RR "エンジンが変わってるからレブリミット制限なし" という事であれば、各メーカー市販車を、毎年コンロッドを軽量化するなりバルブを軽量化するなり、フィンガーフォロワーロッカーアームを採用するなりして、毎年エンジンの構造を小変更しながら販売すればいいわけで・・・
ただ、そうなると消費者はメチャクチャ困りますね・・・

色々考えすぎなのかもしれませんが、ZX-10RRとZX-10Rの違いに注目した場合、ZX-10RRはチタン製のコンロッドを採用して1馬力パワーアップしています。
しかも、ZX-10Rの方は、レースキットのハイリフトカムシャフトに無加工で交換可能です。
レギュレーション的にOKかどうかは知りませんが、勝利を重ねて回転数制限が厳しく適応された場合、使用するマシンをZX-10RRからZX-10Rに変更する事も視野に入れているとしたら、非常に面白い話だと思います。



さて、個人的な妄想は置いておき、昨日行われた開幕直前テストのリザルトについてSSPクラスから紹介したいと思います。

WSSP 開幕前テスト 初日結果 (セッション1)

※画像クリックで拡大します

WSSP 開幕前テスト 初日結果 (セッション2)

※画像クリックで拡大します
セッション1はカリカスロ、セッション2はクルメナッハーがトップタイムを記録しました。
クルメナッハーはセッション1で2番手につけており、好調ぶりが伺えます。

下の画像はセッション1の各ライダーのMAXスピードですが、CBR600RR以外は同じような最高速となっています。
今シーズンはMectronic社製の共通ECUとなった事で、少なくともヤマハ、カワサキ、MV アグスタに関してはホームストレートではマシンのスペック差はそんなに無さそうです。





続いて、SBKクラスの初日結果です。

WSBK 開幕前テスト 初日結果 (セッション1)

※画像クリックで拡大します

WSBK 開幕前テスト 初日結果 (セッション2)

※画像クリックで拡大します
SBKクラスの初日はセッション1、セッション2共にアルバロ・バウディスタがトップタイムを記録しました。



私が以前より気にしていたS1000RRですが、セッション2でトム・サイクスが見事2番手タイムを出しております!
やはりS1000RRの完成度は高く、一発タイムは出せる速さを持ち合わせているようです。
ただし、レースとなれば別でサイクスのタイヤが終盤まで持つのか非常に気になります・・・
ちなみに、セッション2は夕方行われたため、ほとんどのライダーがタイムを落としています。
サイクスの初日セッション2で2番手という結果をどう判断するかは、明日のテスト結果も見てみないと何とも言えない感じがします。


また、セッション1ではPata YamahaとGRT Yamahaの4名のライダーが上位に顔を並べています。
今までのテスト結果が物語るように、今年のYZF-R1Mは昨年よりも確実に速くなっているのは間違いありません。
下の画像は、セッション1の各ライダーのMAXスピードなのですが、なんとマルコ・メランドリのYZF-R1Mがトップのバウディスタから0.9km/h落ちの速度を出しています。



回転数制限が導入されて2年目となりますが、今シーズンのYZF-R1Mは決して非力では無いことが解ります。

そして、今まで沈黙を守っていたMoriwaki Althea Honda Teamの2台ですが、個人的に気になることがあります。
下の画像はセッション1のセッションハイライトなのですが、キャミア選手と清成選手のバイクが同じような時間に2回トランスポンダーが温度の上昇を検知しています。
テストを見ていたわけでは無いので予測になってしまいますが、2台の温度上昇の時間がほぼ同じなので、恐らくピットボックス内でマシンを調整している時に上がったのではないかと予測します。

そして、セッション2のセッションハイライト(下図)を見ると清成選手が2度の転倒を喫しています・・・



清成選手はセッション1も含めると、全て4コーナーで3度転倒をしています。
清成選手以外の選手の転倒もほとんどが4コーナーなのですが、転倒が多い事とトランスポンダーの温度上昇検知が気になるところです。

上記の事から推測ではありますが、私の意見としてハッキリ言えることはMoriwaki Althea Honda Teamは他チームに比べて相当出遅れていると思います。

今週の金曜日にはレースウィークが始まってしまうわけですが、結構心配です。
残るテストは、本日のテストが最後ですが大丈夫なのでしょうか・・・
今後のHRCのサポートに期待しましょう!



人気ブログランキング

コメント