2005年にHRCから発売以降、NSF100はスプリントレースから耐久レースまで幅広く活躍しており、HRCがMotoGPに参戦し培ってきたノウハウが詰め込まれています。
現在NSF100は世界各地で販売されており、沢山のジュニアライダーが日々挑戦を続けています。
来年で発売から14年が経ち、実際にNSF100から世界に羽ばたいたライダーも数多く存在しており、NSF100で育ち 現在MotoGPに参戦しているライダーにホンダが10月~12月の間でインタビューをしているので、各ライダーのコメントを紹介したいと思います。
以下、ホンダ公式HPより引用
ダニ・ペドロサのコメント
「とにかく、NSF100はトレーニングに最適なバイクです。
特にいつもと違うライディングスタイルを試してみたくなったとき、僕はまずNSF100で試すようにしてきたよ。
セットアップがとても簡単だから、メカニックがいなくても自分でマシンを調整することができるのもいいところだね。
オールシーズン練習に使えるから、とても重宝しているよ。
このバイクは小さいんだけど、シフトパターンはMotoGPマシンと同じ仕様になっているんだ。
だから、若いライダーがライディングを学ぶ上で、まさに完ぺきなバイクだと思うよ。
小排気量でスピードレンジも低いからレーストラックに行かなくても、カート場で練習ができるのも魅力の一つだね
いつか世界で戦いたいと思うなら、とにかく練習を続けること。
スピードとテクニックをどんなに磨き上げても、そこからさらに上を目指してプッシュし続けられるかが、この世界において最も大切な素質なんだ。
もちろん、上達するスピードは人によって違うかもしれない。
けれど、夢をあきらめずに挑み続けていれば、いつかは自分が望んでいる舞台にたどり着けると僕は信じているよ。」
ルカ・マリー二のコメント
「小さかったころはカトーリカという街に住んでいたんだけど、家からすぐ近くにサーキットがあったんだ。
そこで同年代の子供たちがポケットバイクで走っているのを見て、『あれがやってみたい!』って両親に言ったのがきっかけかな。
始めたらとても楽しくて、やめられなくなったんだよ。
NSF100は、若いライダーにとって理想的な"学校"だったと思う。
多くのライダーが同じバイクで競い合う中で、それぞれのライディングスタイルを高めていくことに集中できたよ。
バイクもとても乗りやすくて快適だったし、なによりMoto3のバイクととても似ているんだ。
世界選手権で戦うことを目指していた僕にとって、NSF100選手権に参戦することは、まさに理想的なステップだったよ。
自分が好きなことを仕事にできるというのは本当に特別なことだ。
ただそのためには、情熱を持ち続けなければいけないし、常に全力を尽くす必要もあると思う。
将来的に世界選手権へ参戦したいなら、毎日必死に練習を積み、そして自分が乗っているバイクをよく理解しようとしなくちゃいけない。
たいへんだと思うけど、その価値はあるよ。
MotoGPライダーになることは世界で最もすばらしいことの一つだからね。」
ステファノ・マンジのコメント
「僕はレーシングファミリーに生まれたんだ。
僕の父はライダーで、モトクロスをずっとやっていたし兄はロードレースでスペイン選手権に参戦していた。
そういう環境だったから、幼い頃からバイクに乗るのはすごく自然なことだった。
NSF100がほかのポケットバイクと決定的に違うのは、4ストロークだという点だね。
僕にとっては初めて選手権で優勝したのもこのバイクだったから、たくさんの思い出がある。
ちびっ子ライダーにとっては、バイクの乗り方を学ぶ上で凄くいいモノだった。
4ストロークなんだけど、エンジンが小さいからとても乗りやすいんだ。
ほかのライダーと競い合うことには、今も昔も大きな情熱を持っているよ。
これからも競争への情熱が衰えることは無いよ!」
ボ・ベンスナイダーのコメント
「元々、僕の父がバイク好きだったんだ。
ある日、父がポケットバイクを見て『これを自分の子供にやらせたい』と思ったらしくて、それで4歳か5歳のときに乗り始めた。
最初は電気バイクに乗っていたんだけど、それからエンジンが付いているバイクに乗り換えました。
速いマシンに乗っていれば勝つのは当たり前だけど、NSF100選手権ではそうはいかないからね。
そういう意味では、若いライダーにとっては自分の才能をアピールする絶好の機会だと思うよ。
NSF100に乗っている若いライダーたちには、是非、夢を追い続けてもらいたい。
今、Hondaマシンに乗って活躍しているライダーの多くがNSF100出身で、そこからMoto3、Moto2、MotoGPと道が繋がってきたんだ。
諦めずに歩み続ければ、きっといつか夢見ていた舞台に辿り着けると思うよ。」
ファビオ・ディ・ジャンアントニオのコメント
「僕のお父さんが大のモータースポーツ好きだったから、家の中ではいつもレースの映像が流れていたんだ。
僕が5歳のときにポケットバイクに乗ってみようという話になって、イタリア選手権やNSF100選手権に出場するようになった。
最初はゲームみたいな感じだったよ。
でも、続けていくうちにどんどんレースへの情熱が高まってきて、次第に人生をかけてやってみたいと思うようになったんだ。
僕が参戦していたNSF100選手権はワンメイクレースだから、ライダー全員が同じバイクを使っているというところが魅力だったね。
勝つためにはほかのだれよりもプッシュしないといけない。
マシンが同じだからコーナリングスキルや、直線でどれだけ速くなれるかといったライダーとしてのスキルも浮き彫りになる。
NSF100で初めて一番速いラップタイムを記録したときの達成感は今でも忘れられないよ。
おそらく、NSF100選手権に参戦しているすべてのライダーは、みんな成長したくて参加しているんだと思う。
このカテゴリーには本当に大勢の若手ライダーが参戦しているから、他の選手と切磋琢磨しながら成長していけるすばらしい環境だと思うよ。
僕はこのバイクでプッシュすることの重要性を学んで、それから勝つレースにこだわってやってきた。
その積み重ねが、今の舞台に僕を導いてくれたんだと思う。
みんなも勝つことにこだわってみてほしい。」
真崎 一樹 選手のコメント
「元々、お父さんが趣味で乗っていたんですよ。
父は僕が生まれる前から『バイクに乗らせる』って決めていたらしくて、それで3歳から乗り始めました。
最初は嫌々だったんですけど、2年経ったらもう好きなスポーツになってましたね。
今、Moto3でやっている選手はほとんどが僕と同い年なんですよ。
鳥羽海渡や佐々木歩夢、それに来年上がってくる小椋藍もそうですね。
特に鳥羽とは出身地も同じで、それこそポケットバイク時代からずっとバチバチやってきてるので、彼にだけは負けたくないなっていう気持ちはずっと持ってますね。
これまでを振り返ってみると、常にライバルがいたと思います。
NSF100では切り返しの速さ、タイヤのグリップが高いのでブレーキングの限界に挑んだり、寝かせてスライディングさせたりと、すごく練習になりました。
今でもNSF100に乗ってテクニック的なところはちょこちょこ練習したりしていますね。
大きいバイクで大きいコースを走っていると、切り返しがだんだん遅くなってくるんですよ。
なので、カートコースでNSF100のような小さいバイクで切り返しのテクニックを確認したりしています。」
鳥羽 海渡 選手のコメント
「元々、子供のころからお父さんが運転しているバイクの後ろに乗っけてもらうのが好きだったんです。
でも段々、ただ乗っているのに飽きてきてクリスマスプレゼントに電動ポケットバイクをもらって公園にずっと走りに行ってたんですけど、それにもまた飽きてしまったんですよ。
覚えていないんですけど、そのころからずっと親に『エンジン付きのバイクに乗りたい』って言っていたらしいです。
それで両親がいろいろリサーチしてくれてNSF100に出会って、それからどんどんやめられなくなりました。
NSF100はグランドチャンピオンシップをはじめ、いろいろな選手権に出るようになったきっかけのバイクですね。
鈴鹿サーキットみたいな大きなコースも、NSF100で初めて走りました。
その中で、バイクをどう走らせるかや、身体の動かし方、集団グループの中での位置取りといった基礎的なところを学べました。
今でもMotoGPライダーの中には、NSF100を使ってトレーニングしているライダーも多くいますね。
僕は小さいころから、バイクに乗っているときはずっと楽しいと思っていました。
それに、もっと速く走りたいっていう気持ちも常に持ち続けてます。
自分もずっとNSF100に乗って練習してきましたし、諦めずにもっと上を目指す気持ちを持って乗り続けていれば、いつか自分が夢見る舞台に立てる日は来ると思います。」
アロン・カネトのコメント
「バイクに初めて乗ったのは4歳のときです。
父の影響でカートのスペイン選手権にも出たりしていたし、まだ小さいころからとにかくモータースポーツが好きだったんだ。
ある日、お父さんがカートをプレゼントしてくれたんだけど、バイクの方が好きだったから『ポケットバイクが欲しい』って言ったらしい。
僕はそのことを覚えていないんだけど、そのころからバイクの方が性に合ってたんだね。それからずっとバイクに乗り続けているよ。
NSF100を使ったヨーロッパ選手権だったかな。
そのレースには今、Moto2クラスにいるステファノ・マンジやMoto3クラスで戦っているニッコロ・ブレガ、アルバート・アレナスも出ていたよ。
予選でトップタイムを記録できたんだ。
レースはすごく接戦だったんだけど、最終ラップでなんとか逆転勝ちを決めることができた。
あれはすごい達成感を感じたレースだったよ。
まだ小さいときに、"いつか世界選手権で戦ってみたい"と思ったんだ。
それからその夢を叶えるために努力を続けてきて、今ではそれが"世界選手権でチャンピオンを獲る"という夢に変わった。
振り返ってみると、僕は常に夢を持ち続けてきたんだと思う。
今、NSFに乗っていて、将来MotoGPで活躍したいと思っているライダーにも、常に夢を持ち続けていてほしいな。」
佐々木 歩夢 選手のコメント
「うちはおじいちゃんもお父さんもレースが好きで、おじいちゃんに74daijiroっていうバイクを買ってもらったのがきっかけですね。
それでしばらく乗ってたんですけど、『そろそろギア付きのバイクに乗りたいな』と思ったときに一番よさそうだったのがNSF100でした。
ポケットバイクの中で見ても、これ程Moto3マシンと似ているバイクってないんですよ。
形も似ているし、ライディングポジションも似ている。
そういう点でNSF100に乗っていたことは、今こうしてMoto3に参戦する中でも役に立っていると思います。
だから、今でもオフシーズンに練習で使ってますよ。
100ccから今乗っている250ccに乗り換えたときは、もちろん大変だったんですが、ポジションや乗り方はある程度NSF100でできていたので、あとはスピードに慣れさえすればよくて乗り換えしやすかったと思います。
僕は昔からどんなレースでも、どんな順位でも勝つことを目指してレースをしてきました。
練習のときも同じで、『今日は練習だから50%の気持ちでいいや』っていう気持ちで臨むんじゃなくて、常に100%でやる。
それは小さいころにNSF100を通して学んだことだと思います。
今はMoto3で走っていて、もちろん勝つのが難しい世界ですけど諦めずに100%を出すことを続けていけば、きっと この場所でも活躍できると信じています。」
アルベルト・アレナスのコメント
「僕の父親はMotoGPが大好きで、いつもレース観戦に連れていってくれたんだ。
父の親友はバイク店をやっていて、ある日、僕をポケットバイクに乗らせてくれた。
初めて乗ったときは、すごく楽しいと感じたのを覚えているよ。
それからモトクロスを始めて、2ストロークのマシンに乗るようになった。
しばらくはモトクロスをやっていたんだけど、イタリアのあるバイク会社から誘われてロードレースに転向したんだ。
それでNSF100選手権にも参加するようになったんだ。
NSF100は僕が初めて乗った4ストロークスのマシンだったから、よく覚えているよ。
とても乗りやすいバイクで、ロードレース用マシンに関する基本的なことはすべてこのバイクから教わったと言ってもいいと思う。
進路の変え方やポジショニングとかね。
NSF100選手権にも参戦したけど、すべてのライダーが同じバイクでレースに挑むカテゴリーはとても珍しいんだ。
マシンの性能に左右されず、ライダー全員に平等なチャンスがあるわけだからね。
そうした選手権が世界中で開催されているのも、NSF100のすばらしい点の一つだと思うよ。
純粋にレースを楽しむことができれば、本当にすべてがいい方向に動いていくんだ。
毎レースの勝利に固執することも もちろん重要ではあるんだけど、もっと大きな視点を持つことを心がけられれば、きっと道が開けてくると思う。
僕もそうだったからね。」
ペドロサと同級生のケーシー・ストーナーは、モリワキが制作したNS-1のベースにCR80のエンジンを搭載したMH80Rで育ったことが有名ですが、最近のライダーはNSF100で育った世代なんだなぁ~と実感します。
速いものでNSF100が発売されて14年ですか・・・・
オッサンになるわけだ・・・
ぶっちゃげNSF100が発売となった2005年当時、2ストロークのNSR Miniが新車価格で28万くらいだったのに対し、4ストロークエンジンのNSF100が40万くらいしたのでフザケンナ!と思いました。
それから14年経ち、現在のNSF100の新車価格は49万6,800円・・・・
まぁ、2005年のCBR600RRのレースベース車が73万5,000円だったのに対し、現在のCBR600RRのレースベース車の価格が99万5,760円なのでNSF100の値上がりは妥当な所でしょうね・・・
そうやって考えるとNSF250Rが2011年の販売当時から、現在は約30万円値段が下がっているのは何気に凄い事だと思います。
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