巷では、"ドカティ・ワールド・プレミア2019"で発表されたパニガーレV4Rが話題を呼んでおり、イタリアのミラノで開催されるEICMA 2018で間違いなく主役となるでしょう。
しかし、同じイタリアンメーカーのApriliaもRSV4 RFをパワーアップさせたAPRILIA RSV4 1100 Factoryを発表することになりました!
アプリリアは2019年にWSBKから撤退が決定していますが、逆に"レースレギュレーションに囚われずスポーツ走行を楽しめるモデルを発表できた!"とも言えるかもしれません。
昨日、パニガーレV4Rの記事を書いた時にRSV4 1100 Factoryの事にも少し触れ、結構ボロクソに感想を述べたのですが、今日は改めてアプリリアが発表したRSV4 1100 Factoryについて紹介したいと思います。
変更点1:エンジン
ワールドスーパーバイク世界選手権で4度のタイトルを獲得したアプリリアの名車 RSV4は2009年に発表され、10年の時が経過しても進化を続けます!
バイクの心臓部とも呼べるエンジンは、総排気量が1078ccとなり、圧縮比とストローク量は52.3mmのまま同じですが、ボアが78mmから81mmに拡大されています。
このエンジンユニットですが、2018年に発表されたTUONO V4 1100 Factoryのものを流用しています。
しかし、改良されたECUにより吸気タイミングの変更と、ロング化された5速、6速のギア比により最高速度は伸びており、RSV4 1100 FactoryのレッドゾーンはRSV4 RFよりも1,100回転上の13,600rpmから始まり、最高馬力は13,200rpmで214馬力に達します。
変更点2:エキゾーストシステム
RSV4 1100 Factoryは、チタン製のAkrapovičマフラーが標準装備されています。
アプリリアは、アクラポビッチ製のエキゾーストユニットの重量を公表していませんが、Euro 4に対応しながら従来の排気システムよりも軽くなっているはずです。
変更点3:重量
RSV4 1100 Factoryの重量ですが、装備重量で199kgとなっています。
チタン製のAkrapovičマフラーと軽量のリチウムイオンバッテリーを搭載した影響で、RSV4 RFよりも5kgの軽量化されています。
変更点4:ジオメトリーの変更
2009年から発売されているRSV4は上位版のFactoryモデルで、エンジン高・ステム位置と角度・スイングアームピボット高の調整が可能なフレームを公道用市販車で初採用されました。
RSV4は実は毎年、初期設定のエンジン高・ステム位置と角度・スイングアームピボット高が変更されており、Aprilia RSV4 1100Factoryも変更されています。
フロントフォークの突き出し量の変更も作用して、ホイールベースは2018年モデルのRSV4 RFよりも4mm短くなっています。
変更点5:スイングアームの高剛性化
RSV4は毎年ジオメトリーが変化するにつれて、スイングアームは剛性を高める方向で進化してきました。
今回エンジンの排気量が上がり、ピークパワーも上がったため更にスイングアームの剛性が高められています。
変更点6:足回りの変化
フロントサスペンションは、従来と同じ43mm Öhlins NIXユニットが採用されていますがマイナーチェンジしているようです。
また、ブレーキキャリパーが従来のBrembo M50から、パニガーレV4Rと同じBrembo Stylemaに変更されています。
また、フロントブレーキには目を引くブレーキキャリパーの冷却ダクトが設けられています。
変更点7:カーボン製のウイングレット
RSV4 RF LEで採用されたカーボン製のウイングレットがRSV4 1100 Factoryでも採用されています。
アプリリアによると「空洞実験で設計された形状とウイングレットの取付角度により、高速度域でバイクに安定をもたらし、空気の流れを整えハードブレーキング時の安定性が増す」との事です。
RSV4 1100 Factoryギャラリー
私はRSV4 Factoryを現在所有していて、Aprilia RS250も過去に乗り継いでおり、WGP500からMotoGPクラスになった時には、どのメーカーよりも早くニューマチックバルブを採用し、レギュレーションで定められた "3気筒エンジンを搭載するバイクの重量制限での軽さを活かす" という構想に心を打たれ、フル参戦2年目には私が予てから大ファンの芳賀紀行選手と、SBKで強さを見せるコーリン・エドワーズがレギュラーライダーとして起用された時は心が踊りました。
RS3が走行中発火し、炎に包まれるエドワーズ |
そういう経緯もあって、割とアプリリアが好きな私なのですが「今回のRSV4 1100 Factoryは出さないほうが良かったんじゃね?」と思ってしまいます。
と、いうのも後出しのパニガーレV4Rの完成度が凄すぎて、どうしても見劣りします。
仮にパニガーレV4Rの存在がなかったとしても、ネイキッドモデルのTUONOのエンジンを流用しているので、全くワクワクしません。
TUONO V4 1100ファクトリー |
RSV4が登場した2009年から基本設定は変わっておらず、そろそろフルモデルチェンジが明白なのですが、余った生産ラインやパーツで"時期RSV4が登場するまでの繋ぎのバイク"としか見えません。
今回のRSV4 1100 Factoryはガッカリ感が半端ないし、イタリアのライバル企業ドカティが生んだパニガーレV4Rの話題性と完成度が高すぎて、こんな手抜きで新モデルを発表したアプリリアのファンだという事に何故か恥ずかしくなります。
けど、明らかに安直な考えで、タマに失敗するアプリリアが面白くて好きなんですがね・・・
きっとアプリリアはまたWSBKでタイトルを取れるスーパーバイクを2020年に発表してくれると信じています!
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