チェッカーフラッグまで白熱した MotoGP 第15戦 タイGP決勝レース結果!



10月5日~7日の日程で、MotoGP 第15戦 タイGPが、MotoGP初開催となるチャーン・インターナショナル サーキットで開催されました。

moto3クラスでは、真崎 一輝選手が予選3番手となり、初めて1列目スタートの決勝レースとなりました。

MotoGPクラスでは、今まで不調だったモビスター・ヤマハ・MotoGP チームが好調で、ロッシが2番グリッドから、ビニャーレスが4番グリッドからのスタートとなり、ヤマハのマシンが決勝レースを何位で終えるのか注目の集まったレースでもありました。

今日は日曜日に行われたMotoGP 第15戦 タイGPの決勝レースの結果と、MotoGPクラスの各選手のコメントを決勝レース動画を交えて紹介したいと思います。





moto3クラスの決勝レースは、9番グリッドのファビオ・ディ・ジャンアントニオが優勝争いに競り勝ち、第10戦チェコGP以来となる今季2勝目を挙げ、ポイントリーダーとのギャップを41pt差から29pt差に縮めました。

ウォームアップ走行で1番手だった10番グリッドのロレンソ・ダラ・ポルタが2位を獲得し、25番グリッドのデニス・フォッジアが3位に入り初表彰台を獲得しています。

moto3クラスに参戦している日本人選手の結果ですが、3番グリッドからスタートした真崎 一輝選手は、トップグループ内で走行中の14ラップ目に他車と接触して転倒してしまい、レースに復帰して20位でレースを終えています。
26番グリッドからスタートした鳥羽 海渡選手は12位でレースを終え、11番グリッドからスタートした佐々木 歩夢選手は、14ラップ目のトップ走行中に転倒しリタイア。
14番グリッドからスタートした鈴木 竜生選手は、トップグループ走行中の5ラップ目に転倒してしまいリタイアとなりました。

残り4戦となるMotoGPですが、moto3クラスのタイトル争いは、総合1位マルティンと総合2位ベツェッキのポイント差が13ポイント差から26ポイント差となっています。


MotoGP 第15戦 タイGP moto3クラス 決勝レース結果
※画像クリックで拡大します。


MotoGP 第15戦 タイGP Moto2クラス 決勝レース動画







moto2クラスの決勝レースですが、6番グリッドのフランセスコ・バグナイアが今季7勝目を挙げました。
バグナイアの勝利は、MotoGPにおけるイタリア人ライダーによる通算800勝目となりました。

バグナイアに続いて、3番グリッドのルカ・マリーニが2位となり、スカイ・レーシング・チーム・VR46が初のワンツーフィニッシュとなりました。
3位は今朝のウォームアップ走行で1番手に進出した5番グリッドのミゲール・オリベイラが入り、moto2クラスへ参戦している長島 哲太選手ですが、18番グリッドからスタートして8位でレースを終え、自己最高位となりました。
moto2クラスのタイトル争いですが、残り4戦でトップのバグナイアと総合2位のオリベイラの差は19pt差から28pt差に広がりました。


MotoGP 第15戦 タイGP moto2クラス 決勝レース結果
※画像クリックで拡大します。




MotoGP 第15戦 タイGP MotoGPクラス 決勝レース動画







MotoGPクラスの決勝レース結果ですが、ポールポジションスタートのマルク・マルケスがチェッカーフラッグ寸前まで繰り広げられた接戦に競り勝ち、今季7勝目を挙げました。
惜しくも2位となった、3番グリッドからスタートしたアンドレア・ドヴィジオーゾはマルケスと僅か0.115秒差で優勝に手が届きませんでした。
3位には、4番グリッドからスタートしたマーベリック・ビニャーレスが0.270秒差で今季4度目の表彰台獲得となりました。
2番グリッドからスタートしたチームメイトのバレンティーノ・ロッシは1.564秒差で4位を獲得しています。

MotoGPクラスへ参戦している日本人ライダーの中上 貴晶選手ですが、14番グリッドからスタートしたもの、3ラップ目に転倒するもレースに復帰し、2周遅れで完走しています。

MotoGPクラスのタイトル争いですが、トップのマルケスと総合2位ドヴィジオーゾのポイント差が72pt差から77pt差となり、早ければ来週行われる日本GPでマルケスの2018年タイトルが決まります。

MotoGP 第15戦 タイGP MotoGPクラス 決勝レース結果
※画像クリックで拡大します。


決勝レースを終え、MotoGPクラスへ参戦している選手からコメントが発表されていますので紹介したいと思います。




マルク・マルケスのコメント
「ドヴィ・スタイルでレースを運びました。
ドカティとのバトルでは全敗していたので、絶対的な自信を持って最終ラップに臨むことができませんでした。
当然、負けたことが影響し、その反対にモチベーションを与えてくれました。
全力で挑み上手く行きました。

4ラップ目にプッシュしました。

後続を引き離すことができなかったので、ストレートでガスを閉じました。
残り8ラップでアタックを仕掛けたかったのですが、ドヴィの後ろで限界だったので最終ラップまで待つことを決断しました。
5コーナーで抜くことをハッキリ決めていたので、そこまで一度も抜きませんでした。
切り札を見せたくありませんでした。
リスクがありましたが、他のコーナーで距離を詰めれると思ってました。

もてぎの週末も今週末と同じように頑張ります。

最後の数メートルでリスクを冒す必要があれば、リスクを冒します。
今週末は日本人のエンジニアたちが僕にモチベーションを与えてくれました。
彼らは最初のマッチボールを日本で迎えたかったようです。
もてぎでタイトルを獲得できるかどうかは決して解りませんが、タイトル獲得までの4戦が控えています。
沢山の要因があり、全てが起こり得る状況なので落ち着こうと思います。」




アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント
「最終ラップに優勝の可能性があった時に負けてしまうのは、少し後味が悪いです。
自分の走りを少し後悔していますが、このトラックは僕たちにとって有利ではありませんでした。
2月のテストでは苦しんだので、シーズンを通じてバイクが改良されたことを確認できました。

僕たちは今週末良い仕事をしました。

これは将来に向けて良いことなのですが、タイヤの消耗は非常に激しかったです。
ストレートで負けてしまったのは初めてです。
今日の2位はアラゴンよりも重要となりました。
タイは僕たちにとって難しいトラックで、マルクの喜びは僕たちをマークしていることを意味します。
彼らは勝ちましたが僕たちは速いです。
全ての仕事はシーズン終盤から 特に来シーズンに役立つでしょう。

正直、他車を引き離すためにプッシュをしませんでした。

バイクにプッシュができるほどの手応えがなかったんです。
マルクは常にピタリと張り付き、最後まで食らいついて来ました。
日本は僕たちにとって有利なトラックなので頑張ります。」





マーベリック・ビニャーレスのコメント
「僕たちはトップと非常に近かったです。
終盤に強いスタイルを少し取り戻しました。
3番手まで追い上げましたが、抜くのは非常に難しかったです。
バレンティーノを抜くのは簡単でしたが、ドヴィジオーゾとマルケスを抜くのは不可能でした。
次もこの調子で行きたいです。
僕たちは良い仕事をしていると思います。
毎週、こうでなければいけませんし、日本でもこの流れを再現させたいです。

タイヤの左側が非常に厳しかったです。

スピニングに苦しんでいたので、終盤に強く走れたとは思っていません。
僕たちは苦しんでいたけどコーナリングで強さがあり、バイクは良く曲がってくれました。
これはここ数戦不足していた事です。
今週末は重量配分を調整する仕事に取組み、後方に加重をかけました。
これが日本でも機能することを期待しています。

バイクの改良を続けるための仕事を継続して行くので、ヤマハを元気付けなければいけません。

ザルコが素晴らしいレースをしました。
これはヤマハが全体的に良かったことを意味します。
次戦で再確認することが重要です。」




バレンティーノ・ロッシのコメント
「目標に設定した表彰台獲得を達成できず残念ですが、マーベリックは強かったです。
僕たちは表彰台を争い、まともなレースができました。
序盤は速かったですね。
僕たちはトップを走行して、タイヤを温存させるために少しペースを落としました。
最終ラップにマーベリックに接近しましたが、最終コーナーは少し離れていたので、彼の後ろに留まることを選びました。

ここ数戦は、とても奇妙です。

全員がタイヤを消耗しないように走っていて、まるでサイクリングのような戦略的なレース展開となっています。
ある瞬間に1人が飛び出すと他車が追いかけ、その後に誰かがアタックを仕掛けています。

バイクには、まだ幾つかの問題があります。

終盤、ビニャーレスと僕はドヴィジオーゾ、マルケスとバトルする難しさがありました。ここはヤマハ向きのトラックではないので、困難な展開を予想していました。
もてぎは通常ならば、上手く走れます。
今後のレースで、今週末の改良がトラックに要因があるかを確認ます。


とのコメントを各ライダーが残しています。
ビニャーレスは久々の表彰台で上機嫌な事がコメントにも現れていますね。
ビニャーレスは気分屋なのか、コメントに感情が出やすいので凄く正直な人間だなぁ~と思います。
ビニャーレスのコメントの中にも「重量配分を調整する仕事に取組んだ」とありますが、前後サスペンションで前後バランスを変えたのか、エンジンの搭載位置で変えたのか非常に興味深いです。

また、ロッシのコメントにもあるように、今週末の改良がトラックに要因があるのであれば、前後バランスを変えたことが 今季のYZR-M1の不調に対する直接の問題解決になっていない事になります。
シーズンオフテストや来季にも影響する事なので、来週の日本GPでどんな走りをするのか注目ですね!

次回のMotoGPは、いよいよ来週行われる日本GPとなります。
マルケスとドヴィのpt差は77ptとなっており、残りが4レースで優勝は25pt獲得するので、マルケスが優勝でドヴィジオーゾが14位以下だった場合に日本でマルケスのタイトルが決定となります。
そう考えると可能性は低そうですね・・・
タイトル争いは1メーカーでも多いほうが面白いので、個人的にはヤマハの来週の走りが一番気になります。
果たして、ヤマハは日本GPでもタイGPの様な走りを見せてくれるのでしょうか!?




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コメント

  1. なかなか良いサーキットではないでしょうか。コース幅もありラインが2つあるなど抜きつ抜かれつで面白い。moto3クラスはドキドキしましたね。ただ日本人は巻き込まれたり、単独であったりと転倒が多いような気がします。転倒率は国別と平均人数で多少違うとは思いますが、毎レース日本人ライダーが転倒しているのではないでしょうか。moto2の長島はクレバーだと思います。中上は「いつもの」でしたね。

    ヤマハが上位に来れたのはよかったです。もてぎではロッシ表彰台にのってほしいですね。

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    1. コメントありがとうございます。
      moto3クラスの日本人ライダー達は速くて才能のあるライダーが揃っているのですが、おっしゃる通り、転倒が多いと思います。
      日本人ライダー黄金期の時でもこんなにコケなかったような・・・
      ヤマハの上位フィニッシュは私も嬉しい限りです!
      来年はロレンソの加入でホンダが更に強くなるでしょうし、やはりヤマハがタイトル争いに絡んで来ないのは寂しいですからね・・・
      是非とも今週末の茂木でも上位フィニッシュか表彰台が見たいです!
      中須賀選手の走りと、YZF-R1カラーに施されたM1も見ものですね。

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