6月1日~3日の日程で、MotoGP第6戦 イタリアGPがムジェロ・サーキットで開催されました。
地元イタリア人選手でレジェンドライダーのバレンティーノ・ロッシがポールポジションを獲得し、レース前から非常に盛り上がりました。
日本勢では、moto3クラスで鈴木選手が予選2番手、佐々木選手が予選3番手を獲得し、決勝レースに日本のファンから期待が寄せられていました。
トップの画像で盛大にネタバレしていますが、爆音と黄色の煙幕に包まれたイタリアGPのリザルトを動画を交えて振り返りたいと思います。
また、レース後にMotoGPクラスの選手からコメントが発表されていますので紹介したいと思います。
MotoGP第6戦イタリアGP moto3クラス 決勝レース動画
moto3クラスの決勝レースは、FP1からWUPまで、全セッションでトップライムを記録したポイントランキング4位のホルヘ・マルティンがポールポジションから優勝を飾りました。
最終ラップのチェッカーフラッグまで三つ巴の接戦となり、マルコ・ベツェッキは0.019秒差の2位に入り、今季4度目の表彰台を獲得しました。
3位には、6番グリッドのファビオ・ディ・ジャンアントニオが0.043秒差で入り、今季2度目の表彰台を獲得しました。
moto3クラスへ参戦する日本人ライダーの結果ですが、初めての1列目となる3番グリッドからスタートした佐々木 歩夢選手は16位、2番グリッドからスタートした鈴木 竜生選手は17位、10番グリッドからスタートした鳥羽 海渡選手は20位、11番グリッドからスタートした真崎 一輝選手は22位となり、全員決勝レースで大幅に順位を落とす結果となってしまいました。
MotoGP第6戦イタリアGP moto3クラス 決勝レース リザルト
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MotoGP第6戦イタリアGP moto2クラス 決勝レース動画
moto2クラスの決勝レースは、11番グリッドからスタートしたポイントランキング2位のミゲール・オリベイラが接戦を物にし、今季初優勝を挙げました。
8番グリッドからスタートしたロレンソ・バルダッサーリが、0.184秒差の2位を獲得。
9番グリッドのジョアン・ミルが、0.334秒差の3位に入りました。
今季初めてポールポジションからスタートしたマティア・パシーニですが、トップ走行中の14ラップ目に転倒。
2番グリッドからスタートしたマルセル・シュロッターは、ホールショットを決めた直後に転倒してしまいました。
moto2クラスに参戦している日本人ライダーの長島 哲太選手ですが、13番グリッドからスタートし、13番手走行中の16ラップ目にイン側から進入してきたエクトル・バルベラと接触転倒してしまい今季初めてのリタイアとなりました。
MotoGP第6戦イタリアGP moto2クラス 決勝レース リザルト
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MotoGP第6戦イタリアGPを終えてのmoto2クラス ポイントランキング
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MotoGP第6戦イタリアGP MotoGPクラス 決勝レース動画
MotoGPクラスの決勝レースは、2番グリッドからスタートしたポイントランキング14位のホルヘ・ロレンソが、ホールショットを決め、レースの主導権を握り、久しぶりのロレンソパターンでドカティ移籍後初優勝を飾りました。
ロレンソは、ドゥカティに移籍し24戦目での勝利となり2016年11月の最終戦バレンシアGP以来の勝利となりました。
7番グリッドからスタートしたアンドレア・ドヴィジオーゾが6.370秒差の2位に入り、ポールポジションからスタートしたバレンティーノ・ロッシは、6.629秒差の3位に入り、2戦連続3度目の3位表彰台を獲得しました。
6番グリッドからスタートしたポイントリーダーのマルク・マルケスは、2番手走行中の5ラップ目に、10コーナーで転倒してしまいレースに復帰したもの16位でレースを終えました。
MotoGPクラスへ参戦している中上 貴晶選手ですが、18番グリッドからスタートし、スタート直後の2コーナーでバウディスタとペドロサの接触に巻き込まれ転倒。
しかし、ピットインでマシンを修復し5ラップ遅れの18位で完走しました。
MotoGP第6戦イタリアGP MotoGPクラス 決勝レース リザルト
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MotoGP第6戦イタリアGPを終えてのMotoGPクラス ポイントランキング
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最後に、MotoGPクラスの選手からレース終了後にコメントが発表されていますので紹介したいと思います。
ホルヘ・ロレンソのコメント
「ようやく辿り着きました。
優勝に手が届かないと皆に思われてましたが、僕は決してタオルを投げませんでした。
トレーニングに多くの時間を費やし、すごく苦しみ、悪い時期を過ごしました。
これまでもスタートが良かったですが、その後に順位を下げていました。
ジジに快適に走るために何かが必要だと伝え、今週末にマテリアルを投入してくれました。(コチラの記事で、ロレンソがコメントしている形状の違う燃料タンクの事です。)
ホルヘ・ロレンソは決して嘘をつきません。
いつも本当のことを言います。
ヘレスでエンジンに関して前進しましたが、快適さが足りませんでした。
そして、今回燃料タンクに関連するマテリアルを準備してくれました。
レース前は心配していました。
タイヤが最後まで耐えきれないかもしれないと考え、フロントタイヤを温存するために走り方を変え、最後は大変でしたが優勝を果たすことができました。
ドゥカティのホームで優勝することは夢でした。
ゴールラインを通過したときには、心拍数が180に達しました。
すごく嬉しいし、グレートなことを達成したと思います。
僕の人生で最も幸せな1日となりましたが、エンジニアたちが僕を信じてくれ、あのマテリアルがもっと早く届いていたら、もっと早い時期に優勝できていたかもしれないので、苦い感じがあります。」
アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント
「もう少し期待していたのですが、気温が昨日よりも少し高くなり、フロントタイヤの選択で迷いました。
結果、間違いだったと思います。
ロッシと僕は、より安全なオプションを選びましたが、機能しませんでした。
フロントから2度ほど転びそうになりました。
ホルヘを捕まえようとプッシュしましたが、コーナーに速く入って行けず、走行ラインで走れませんでした。
ホルヘに届かなかった訳ですが、ル・マンの後とマルクの0ポイントを考えて、転倒のリスクを背負って走りませんでした。
ホルヘを祝福したいです。
今のドゥカティは数年前とは違います。
勝つことはいつも難しいですが、ドゥカティのバイクは機能しています。」
バレンティーノ・ロッシのコメント
「ムジェロでの表彰台は久しぶりで、最高です。
恋しかったです・・・
雰囲気は最高でした。
表彰台を獲得するために多くの努力が必要で、憶えている限りの中で最も難しいレースとなりました。
フロントタイヤの選択は多くのグリップを失ってしまうので、難しくなることを覚悟していたのですが、最終的には適切な選択だったと思います。
他車はソフトコンパウンドを選び、後退して行きました。
総合2位が嬉しいです。
僕たちのスピードと戦闘力による最高のリザルトです。
3度の表彰台はポジティブですが、最高位は3位です。
これ以上の結果を目指さなければいけません。
グリップがあるときは僕たちは速いのですが、レースではそれほどグリップがありませんでした。
これは非常に厳しい問題ですが、僕たちは総合2位です。
総合2位という実績が、問題解決に向けてヤマハのモラルをプッシュしてくれることを期待しています。
まだ問題は解決されていません。
バルセロナのテストでバイクのバランスが見つかり、上手く走れるようになりましたが、レース後半に同じような問題に見舞われました。
解決するために必要なことを見極めるのは難しいですが、シーズン後半戦に向けてバイクを改良することが目標です。」
アンドレア・イアンノーネのコメント
「ベストを尽くし、表彰台でフィニッシュすることを期待していました。
リアタイヤに問題がありました。
路面が非常に暑かったので、特にストレートで加速を失ってしまいコーナーでタイムロスを挽回することが非常に難しかったですが、レースには満足しています。
最初からプッシュして、中盤はタイヤを少し挽回させるためにペースを落としました。
終盤が本当に重要となることは解っていました。
最後までベストを尽くしました。
4位は良いリザルトです。
一貫してトップに立つために、幾つかの分野を改善していきたいです。」
アレックス・リンスのコメント
「この結果を期待していなかったので、とても嬉しいです。
2日目の転倒で肩を強打してしまい、体力を失いました。
レース中は苦しみましたが、集中してレースのことをだけを考えました。
5位が本当に嬉しいです。
このレースから沢山の経験を積みました。
高い路面温度とフロントのグリップ不足を上手くマネージメントできました。
ベストを尽くし、チームと一緒に本当に良い仕事をしたと思います。
明日は病院で肩を検査し、ホームグランプリに向けて回復させたいです。」
マーベリック・ヴィニャーレスのコメント
「理解し難いです。
僕たちは週末を通じて本当に上手く作業ができ、FP3から重要な前進を果たしました。
ウォームアップ走行では優勝争いをするためのペースで走れましたが、レースでのフィーリングは非常に悪かったです。
悪いレースが続いています。
データを見てみると、タイヤにグリップがありませんでした。
バイクはグリップを大きく失っています。
その理由が良く解りません。
タイヤの欠陥ではありません。
昨年の後半戦と今年の序盤6戦は同じ問題を抱えているので、タイヤが原因ではありません。
何かが悪く、上手く機能していません。
後方から表彰台に接近しているので、上手く機能するときには、上位に進出できるでしょう。
自分の走りと自分自身を信じます。
どこまで行けるか自分が良く解っています。
勝つための戦闘的なバイクを与えてほしいです。
僕は勝つためにここにます!
上位争いができると信じているときに、8位は受け入れ難いです。
本当に勝ちたいです!チャンピオンシップを闘いたい・・・・」
マルク・マルケスのコメント
「あの転倒を避けることは難しかったです。
セーフティーゾーンのアスファルトがもっとあったら、助かったかもしれません。
グラベルを抜けた方が、もしかしたら、タイムロスが短かったかもしれませんが、肘を使ってもバイクを起こすことができませんでした。
思ってもいなかったところで転んでしまったのは残念です。
転倒が理解できなかった昨年の序盤のような状況です。
今回は昨年の序盤に供給したタイヤを再投入して、同じようなことが起こりました。
しかし、レースに限定した供給なので幸運と言えます。
今年は全てのリスクをマネージメントするように心掛けています。
レース中の転倒は、昨年のル・マン以来です。
誰もがミスを犯しますが、昨年のタイヤが供給されたのは偶然かもしれません。
今週末は全員タイヤに不満があり、タイヤマネージメントのためにレースペースは大きく落ち、ホンダ勢は苦戦しました。
フロントのグリップがないときに僕たちは苦しみます。
今日は、上手くマネージメントができませんでした。
レースに戻ったときは、あまりプッシュしませんでしたが、表彰台のペースからそれほど離されませんでした。
シーズンの序盤は全員が多くのミスを犯しました。
1レース分のマージンがあることが大切です。
昨年は総合1位から37ポイント差でした。
3連勝を挙げたことで、全てが簡単なように思われますが、チャンピオンシップは長いです。
色んな事が起こるので、集中しなければいけません。」
ダニ・ペドロサのコメント
「今回は僕の責任です。
バウティスタと接触してしまったのが原因です。
1コーナーで抜こうとしていたら中上と並び、自分のポジションを守ろうとしました。
そうしなければ、彼がスペースを閉じて来ます。
コーナーに進入しようとしているとき、バウティスタはブレーキを離さなかったようだけど、僕のミスです。
止まろうとしましたが、リアタイヤに接触してしまい転びました。
それで、僕のバイクが中上を倒してしました。
申し訳ない。
今週末は良い感じが見つからず、多くの問題を抱え非常に難しかったです。
ウォームアップ走行でセッティングが見つかり、良い感じを見つけることができ、自信を得ました。
そのセッティングをレースで試し、どこまでポジションを上げられるかを確認したかったです。
トップ10入りを期待していたのですが、できませんでした。
後方からスタートすると、このようなことが起きる確率は50%です。
今日は1ラップも走ることができませんでした。
今週は非常に難しかったです。
多くの問題に見舞われてしまい、非常に悪かったです。
僕は常に自己批判をします。
コントロールができなかったことを知り、良くするために学びたいです。
ウォームアップ走行の良い感じをバルセロナで確認したいです。
良いレースをするために、今日のフラストレーションをぶつけます。」
と、各選手よりコメントです。
ロレンソのコメントで「エンジニアたちが僕を信じて、新しい形状のガソリンタンクがもっと早く届いていたら、早い時期に優勝できていたかもしれないので、苦い感じがある。」
とキッパリ言い切ることがロレンソらしいですね。
もっと速くガソリンタンクにテコ入れしていれば、好成績を残しドカティに残留していたかもしれませんね。
また、ヤマハのロッシとヴィニャーレスのコメントを見る限り、2人共いい加減トラクションの問題をどうにかしろよ!!という感じで、特にビニャーレスからは苛立ちが感じられます。
果たして、ヤマハは今シーズン中に問題を解決することができるのでしょうか!?
次戦は6月15日~17日に行われるスペイン・カタルニアGPです!
熱いスパニッシュ達の走りに期待しましょう!
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マルケスには悪いがチャンピオンシップ的には面白くなってきた。
返信削除シャリンはポテンシャルありますね。ルーキートップは大したものです。
moto2は長島選手がコツコツ順位を上げてきただけに残念。バルベラはペナルティ出ましたね。
moto3はウサギとマルティンがニアミスでしたね。ブルノで鹿にぶつかった東雅雄選手を思い出しました。
コメントありがとうございます。
削除盛り上がってきましたねぇ~!
とは言っても、ホンダのバイクとマルケスのポテンシャルが飛び抜けている事に変わりはないので、特にヤマハには頑張って欲しい所です。
東選手のシカありましたねw
鈴鹿じゃ亀が出てきたり、マレーシアGPではコブラが出てきたり、コモドドラゴンが出てきたり・・・
あの頃の日本人選手は本当に速かったし、スターも多かったですねぇ・・・・
あの頃のように、日本人選手が再び世界の舞台で活躍する日を待ちわびています。