3月1日~3日の日程で、開幕戦の開催地となる、カタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで行われました。
3日目のトップタイムはモンスターヤマハ・テック3のヨハン・ザルコが記録し、ザルコはセパンで行われた今年最初のオフィシャルテストで17年型M1を走らせた時は総合10番手、先日タイで行われた今年2度目のオフィシャルテストでは、16年型のM1に戻して総合4番手を記録しており、今回のテストでは、17年型・16年型どちらのM1を使用したかまだ解りませんが、恐らく16年型のバイクを使用したのではないか?と思います。
いよいよ開幕前の最後のテストも終わり、今月の16日から2018年シーズンが開幕します。
開幕前最後のテストを終えた各選手のコメントを紹介したいともいます。
ヨハン・ザルコのコメント
「すごく良い3日目となりました。
トップタイムでフィニッシュできたことが嬉しいです。
53秒台に進出することも可能だったと思いますが、このスピードで走るためには、ステップ・バイ・ステップで理解することが必要です。
チームと一緒に3日間を通じて素晴らしい仕事ができ、より自信を感じます。
ロングランを実行して、連続して17ラップを走りましたが、あまり速くありませんでした。
もしかしたら、私が少し疲れていたのかもしれません。
とにかく、私たちは一貫しており、バイクの上でリラックスができます。
このことが本当に嬉しいです。
14日後のレースウィークエンドを念頭に置いて、この感じを維持する必要があります。」
ヤマハのワークスチームのバレンティーノ・ロッシは、オフィシャルテスト初日に7番手、2日目はら11番手に後退したものの、最終日は2番手タイムを記録しカタールテストを締めくくりました。
バレンティーノ・ロッシのコメント
「僕たちは3日間懸命にテストし、今日は全てをまとめることができました。
1ラップのペースは速かったけど、まだフロントタイヤとリアタイヤの両方に少し苦しんでいます。
2週間後、僕たちがどの辺の位置にいるのか興味深いです。
今回のテストはポジティブでした。
セパンも良かったですが、タイのテストには喜べませんでした。
トラック次第でものごとが大きく変わってしまうんです。
日によっても、午前と午後でも全てが変わってしまいます。
ザルコのレースシミュレーションを確認しなければなりませんね。
彼は非常に強いです。
ヤマハは電子制御の仕事をする必要があり、全員のモチベーションは高いです。」
とコメントし、開幕直前まで電子制御に苦戦していることが解ります。
2位のロッシに対し、チームメイトのビニャーレスは、テスト2日目の記事で珍しく不満を述べていたのですが、3日目のコメントでも不満が爆発しています。
マーベリック・ビニャーレスのコメント
「良い感じがあったのは最後の30分だけです。
ペースもフィーリングも見つかっていませんし、プッシュすることができません。
ラスト40分にセットアップを変更したら、初日の状態に戻りました。
まるで違うバイクのようでした。
まだ昨年のように良くありませんが、良い方向性です。
もっと時間があれば、速く走ることができたと思います。
今回のテストで、正しい方向とは反対の方向に向かってしまいました。
プッシュできず、自分のベストを発揮することができなかったので、本当に難しかったです。
この状況に適応し、100%を引き出さなければいけません。
フィーリングを1日半も失ってしまったので、バイクのセッティングに、より注意を払わなければいけません。
『100%で走れていない。失ってしまった。プッシュすることができない。』と言いましたが、これは僕自身とバイクに改善の余地があるという意味です。
僕たちが到達できるレベルに対して、現段階では非常に遠いです。
ポジティブだったのは、ラスト10分間で良くなったことです。」
最後に「ポジティブだったのは、ラスト10分間で良くなったことです。」と語るところなんか皮肉を感じますね・・・・
開幕まで時間もなく、バイクがイマイチなので、焦りと苛立ちを感じ取れます。
チームとの間に溝ができなければ良いのですが・・・
浮き沈みの激しいYAMAHAとは逆で、安定した速さを見せつけているのはDUCATIです。
中でもドヴィジオーゾが、テスト初日に2番手、2日目も2番手、最終日に3番手と速い位置で一番安定しています。
アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント
「今回のテストで、僕たちが昨年よりも速いことを含めて、戦闘力と速さを確認することができました。
ライバルたちに、倒すべきライダーだと見られることが嬉しいです。
テストでは多くのことを理解しましたが、全てではありません。
もしかしたら、僕のキャリアでベストテストになったかもしれません。
僕たちが速いことは解っていたのですが、期待していた以上です。
バイクは全てのコンディションで良く、このカテゴリーで非常に難しいことです。
ザルコが非常に速かったのを見ましたが、ペースに関しては何かがあったようですね。
今日は思っていたように速いライダーたちがいました。
予定していた全てのことを試しました。特にシャーシに関しては、2タイプのシャーシで速く走ることができます。」
との事で、開幕に向け自信たっぷりですね。
昨年のシーズン終了翌日から行われたテストを見ていても、今年のデスモセディッチは安定感と速さを兼ね備えているので、タイトル争いに絡んでくることは必須だと思います!
一方、チームメイトのホルヘ・ロレンソは初日5番手、2日目14番手、最終日に9番手でテストを終えています。
ホルヘ・ロレンソのコメント
「最後に良いセッティングを整えることができました。
問題は他車がそれ以上に良くなったことです。
昨年と比較して一歩前進し、僕たちは大きなポテンシャルがあります。
今日証明した以上に大きなポテンシャルです。
レースシミュレーションを実行したかったのですが、時間が無くなってしまいました。
良いベースを見つける作業で少し時間を失ってしまい、苦みましたがバイクには戦闘力があります。
各自の乗り方とセッティングは違うので、僕が気に入るバイクにしなければいけません。
問題は他メーカーが進歩したことです。
ホンダはエンジンを改良し、スズキはすごく良いですね。
プレシーズンの3度のテストが終了しましたが、まだバイクの最大限のポテンシャルを引き出すために、やるべき仕事が沢山残っています。」
ホンダのダニ・ペドロサは、テスト初日の転倒で左手を負傷してしまい、2日目、3日目は激痛に耐えながらのテストとなってしまいました。
ダニ・ペドロサのコメント
「左手がすごく痛かったです。
2日目に多くの周回を重ねたことで、怪我した周辺に負荷がかかってしまったようです。
痛みでロングランが厳しかったですが、状況を何とかコントロールすることができました。
ロサイルは、僕たちが他車よりも少し苦しむトラックです。
ドゥカティのドビジオーゾが非常に速く走っていますね。
特に最後のセクター・・・非常に強いです。
全体的にプレシーズンが嬉しいです。
全てのトラック、全てのコンディションで非常に戦闘的だったと思います。
僕たちは良いテストができ、これが目標でした。
グランプリに向けて仕事を始めるために、少しメンタリティーを切り替えます。」
サテライトチームながら、ホンダのワークスマシンを走らせる、カル・クラッチローは、初日9番手、2日目6番手、最終日に4番手と着実に順位を上げてます。
カル・クラッチローのコメント
「2週間後の開幕を迎え、最後のテストでしたが、ドライでのバイクのフィーリングはすごくポジティブです。
決定的にまだ改良が必要ですが2週間の間に状況を検証するため、チームはホンダと共同でデータを照らし合わせ検証します。
フロントのフィーリングは、まだ完璧ではありませんが、1日を通じて一貫して速く走ることができました。
これが重要なんです。
問題はフロントタイヤで、どれも僕のライディングスタイルに合わないので、レースウィークエンドに問題を解決しなければいけません。
全体的には、最終日のパフォーマンスが嬉しいです。
ウェットテストですが、視界はOKだと思いますが、トラックは非常に滑りやすかったので、セーフティー委員会で協議されるでしょう。」
最後に、2日目好調だったスズキのイアンノーネとリンスのコメントを紹介したいと思います。
残念ながら、2日目にトップタイムをマークしたアンドレア・イアンノーネは胃腸炎と発熱で最終日のテストをキャンセルしています。
2017年のシーズン終了直後に行われたテストでも、食あたりでテストをキャンセルしたこともあるので、胃腸が弱いタイプのライダーなのでしょうか?
アンドレア・イアンノーネのコメント
「今日走ることができず残念でしたが、気分が非常に悪かったです。
テストに参加しようとしましたが、外出することも出来ませんでした。
具合がとても悪かったですが、今回の最後のテストの進歩に大満足しています。
ポジティブな2日間となり、良いベースがあります。
今日予定していたテストはできませんでしたが、失った時間を取り戻すために、レース前のフリー走行で色々試したいと思います。
最終日の病気を別にしてテストを振り返ると、バイクとチームのフィーリングは良いです。」
イアンノーネが不在となり、テストを1人でこなしたリンスは初日6番手、2日目に5番手、最終日に7番手でテストを終えました。
アレックス・リンスのコメント
「ここで3日間走って、とても良かったと思います。
沢山のことを試して、全てのことを確認できたので、とてもポジティブなテストとなりました。
レースシミュレーションを試しました。
レースペースは非常に良かったから、大きな自信を持ってシーズンを始められることが本当に嬉しいです。
今年のGSX-RRには、とても良いパッケージがあると思います。」
とのコメントです。
MotoGPクラス カタールテスト 3日目のリザルトは以下の通りです。
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カタールテスト 日付け別トップタイムは以下の通りです。
オフィシャルテスト1日目: 1分55秒053 (マーベリック・ビニャーレス)
オフィシャルテスト2日目: 1分54秒586 (アンドレア・イアンノーネ)
オフィシャルテスト3日目: 1分54秒029 (ヨハン・ザルコ)
いよいよカタールテストも終わり、2018年のMotoGP開幕が迫っています!
前から当ブログで行っている「シーズン開幕前予想!MotoGP 2018年 タイトルは誰の手に?」というアンケートも終了期間が近づいていますので、まだ投票されていない方は是非ともご参加ください!
※フォルガーの票は、シャリンへの票と見なします。
システム上『性別・年齢・地域』の選択肢が設定されており、『コメント欄』も用意されていますが、選択したり、コメントを残さなくても投票できますので、気軽にご参加ください!
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