2月16日から2月18日までの日程で、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットでMotoGPクラスのオフィシャルテストが行われました。
終わってみれば、ホンダが絶好調ですね!
我らが日本人ライダーの 中上貴晶 選手も好調で、3日目のテストでトップから0.264秒差で8番手のタイムを記録し、2017年型のRC213Vでトップタイムです。
また、MotoGPクラスのルーキー勢でもトップでテストを終えており、非常に良い形でタイテストを終えています。
この調子で、カタールテストも頑張って欲しいですね。
さて、3日間のテストも終わり、各ライダーからコメントが出ているので取り上げたいと思います。
まずは、HONDAからです。
ダニ・ペドロサは、チャーン・インターナショナル・サーキットで開催されたオフィシャルテスト3日目、最終日に78ラップを周回すると、1分29秒781のタイムで1番時計でタイテストを終えました。
ダニ・ペドロサのコメント
「テストは非常に暑く、この3日間はハードワークを強いられたので非常にタフでした。
最後には使用できるタイヤが残っておらず、テストの計画を上手く見直さなければなりませんでした。
バイクのセットアップに集中し、ステップ・バイ・ステップでスピードとペースを伸ばして行きました。
カーボン製のスイングアームを試しました。
研究を要する全く新しい分野で、まだ学習過程で、フィーリングを探しました。
チームと一緒に進めているトラックの仕事に満足しています。
エンジニアたちと一緒に日本で取り組んでいる仕事も嬉しいです。
彼らは本当に助けてくれます。
これは信頼を築くという意味で良いことで、最後のテストとなるカタールでも、この調子で行きたいです。
コンディションが異なるので、どんな結果になるかとても興味深いです。」
1日目: 1分30秒960 (5番手/75ラップ)
2日目: 1分30秒127 (2番手/71ラップ)
3日目: 1分29秒781 (1番手/78ラップ)
マルク・マルケスのコメント
「今日のテストが嬉しいです。
沢山の周回を重ね、バイクの異なる分野のセットアップを改良することができました。
今日の僕たちのタイムは、昨日よりも遅いですが、異なるテストに取組みタイムアタックをしませんでした。
フィジカルコンディションは良い感じでした。
カーボン製のスイングアームなど、幾つか新しいことのテストにも取り組みました。
新しいフェアリングは大きなことをもたらしてくれます。
少し異なるライディングスタイルが要求されますが、中古タイヤを履いた際に非常に一貫していたので、嬉しいです。」
1日目: 1分30秒912 (3番手/78ラップ)
2日目: 1分29秒969 (1番手/97ラップ)
3日目: 1分30秒143 (4番手/96ラップ)
カル・クラッチローのコメント
「十分にグッドな1日となりました。
僕たちのペースが良いので嬉しいです。
1日をフルに利用して、僕たちの計画を完了できたことは幸運でした。
最後にベストラップを狙いたかったけど、不運にもプッシュし過ぎてランオフしてしまいました。
しかし、今日は一貫して速かったので、ランオフはそれほど重要ではないです。
リアにミディアム、フロントに中古のハードを履いて、ベストタイムを出しました。
これはポジティブな事です。
一日を通じて良い走りができ、チームとして非常に良いテストができました。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分30秒797 (1番手/70ラップ)
2日目: 1分30秒490 (8番手/85ラップ)
3日目: 1分30秒064 (3番手/81ラップ)
続いて、YAMAHA勢のコメントです。
テスト2日目の記事で、どうもYAMAHAのバイクが苦戦しているように思えると、私の個人的な意見を述べさせてもらったのですが、3日目はどうだったのでしょうか?
やはり、3日目もヤマハは電子制御のテストから始め、セッティングの検証、タイヤテストの順で取り組んだようです。
バレンティーノ・ロッシのコメント
「今日は良くなったと思います。
30.5秒で走ったけど、本当に良いペースで走っている途中でミスを犯してしまったのが残念です。
それがなければ、30.2秒だったと思います。
全員が接近していますね。
昨年のように、自分たちの位置を理解するのが難しいです。
マレーシアでは多くのライダーたちが強かったですが、ここでは反対に皆苦戦していました。
昨年と比較すると、バイクは大きく進歩していないので、特に電子制御の改良が必要です。
やるべき仕事が沢山あります。
この時期を克服しなければいけません。
もしかしたら、カタールでは良くなるかもしれませんね。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒189 (8番手/74ラップ)
2日目: 1分30秒888 (14番手/65ラップ)
3日目: 1分30秒511 (10番手/70ラップ)
マーベリック・ヴィニャーレスのコメント
「マレーシアの時のように、難しいテストとなりました。
僕たちは問題を理解するために懸命にテストしています。
現時点で最も問題となっているのは、ブレーキングですが、全ての分野において改良が必要です。
レース日が接近しているので、改善の手段を見つけられるように仕事を続けないといけません。
残すテストはカタールの3日間が残っているだけです。
バイクの準備ができたら、プッシュできるように、僕自身を100%の状態に持って行きます。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒294 (11番手/70ラップ)
2日目: 1分30秒274 (4番手/90ラップ)
3日目: 1分30秒590 (12番手/69ラップ)
ヨハン・ザルコのコメント
「本当にグレートな3日目となりました。
良いタイヤを使用して、ベターなラップタイムを記録する事を計画していたので、その目標を達成できました。
僕たちは沢山のテストに取組み、この新しいトラックに関する十分な情報を入手できたので、早い時間帯でテストを終了しました。
周回を重ねる度に、バイクを上手くコントロールできるようになったことが嬉しいです。
とても素晴らしいフィーリングです。
バイクを乗り換えて、良い改善策が見つかり、タイヤもしっかり理解しました。
全てが順調です。
10月の初開催の時に、もし異なるタイヤが投入されても、良いセットアップができる自信があります。
マレーシアと比較すれば、ハイペースでテストを終えることができました。
これはカタールに向けて、素晴らしい兆候です。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒305 (12番手/67ラップ)
2日目: 1分30秒360 (5番手/60ラップ)
3日目: 1分29秒867 (2番手/47ラップ)
うーん・・・ ザルコのコメントはワークスに対しての当てつけでしょうか?w
ザルコは苦戦するワークス2人と比べ、結果も残しているし問題点もしっかり把握し、誰もがダメだと言うミシュランの新タイヤの特性も理解しているようです。
ヤマハワークスのバイクは現段階では仕上がりは最悪でしょう。
しかし、去年ロッシとビニャーレスが苦戦した2017年型のM1でザルコは結果を残しています。
ヤマハの中で一番バイクの状態が解っているのは、ザルコでしょうね。
ザルコにも2018年型のM1の開発に加わってもらってはどうでしょう?
(けど、ザルコはリアタイヤにストレスを掛けずに走れる特殊なスキルを持つライダーなので当てにならないか・・・)
この流れで行くと、ヤマハワークスは今年も開発方向を路頭に迷う気がします・・・
続いて、ドカティ勢です。
アンドレア・ドヴィジオーゾのコメント
「主にシャーシの仕事に取り組みました。
全体的には良いですが、2日目とは違った感触があり、ポジティブとネガティブなことがあります。
ちょっとした小さなことが、走らせることを容易にさせてくれます。
1つのセクターを完璧に走ることができませんでした。
誰がベストなのかを理解することは不可能だけど、バイクのフィーリングとリズムがとても良いです。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分30秒945 (4番手/60ラップ)
2日目: 1分30秒494 (9番手/78ラップ)
3日目: 1分30秒192 (7番手/58ラップ)
ホルヘ・ロレンソのコメント
「旧型を試すことが重要でした。今日は困難な1日となり、状況を見て旧型を試すことを決断しました。
新型よりも良いところ、そうでないところもあります。
問題はカタールに向けて、良いところを組み合わすのが難しいことです。
もし、現時点で選ぶとすれば、18年型でしょうね。
カタールでは、タイよりも大きく良くなると思います。
タイのトラックの特徴はセパンに似ています。
より戦闘的になるために、一刻も早く旧型と新型の良いところを組み合わせたいです。
シーズン序盤は辛抱強く行き、最善の結果を挙げられるようにしなければいけません。
今日のテストは結論を出すことはできませんね。
全員がタイムアタックをしたとき、僕は中古タイヤでした。
新品タイヤを履いて、ロングランを実行したときは、タイムアタックのようにアグレッシブな走りではありませんでした。
実際は22番手よりも遥かに良いはずです。
トップ3には入れないけど、ワースト3ではありません。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒246 (10番手/64ラップ)
2日目: 1分30秒729 (10番手/57ラップ)
3日目: 1分31秒627 (22番手/68ラップ)
ティト・ラバトのコメント
「この3日間はとてもポジティブだったので、とても嬉しいです。
特に戦闘力が高まりました。
最初のテストからフロントタイヤに問題を抱え、全開でプッシュすることができず、フロントから何度も転んでしまいましたが、ステップ・バイ・ステップで改良の方向性を見つけました。
ようやく、転ばないようになりました。
ですが、もっと自信を持って高速コーナーを駆けて行けるように改良を続けなければいけません。
さらに高い信頼感を得るために、ドゥカティのサポートを受けて、この方向性でもう一歩前進したいです。
チームは素晴らしい仕事をしてくれました。
プレシーズン最後のテストに向けて、トレーニングを続けます。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒523 (13番手/85ラップ)
2日目: 1分30秒855 (12番手/69ラップ)
3日目: 1分30秒476 (9番手/52ラップ)
ジャック・ミラーのコメント
「今回の僕たちは取り組んだテストに大満足しています。
フィーリングが本当に良いです。
トラックに飛び出す度に感触が良くなり、快適さが増し、周回ごとに速くなる感じがあります。
午前中に実行しようとしたロングランの1ラップ目に転倒してしまいましたね。
午前中に僕たちのテストが終了したので、チームに申し訳ないです。
けど、大きな自信を持って帰宅します! カタールが楽しみです。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分31秒044 (7番手/83ラップ)
2日目: 1分30秒185 (3番手/69ラップ)
3日目: 1分30秒190 (6番手/50ラップ)
最後に、SUZUKIからアレックス・リンスのコメントが出ています。
アレックス・リンスのコメント
「もし、この3日間を採点すれば、僕たちは沢山のテストに取組み、沢山のことを試したので10点満点で8点か8.5点ですね。
2018年シーズンに向けて、本当に良いベースがあることを確信しています。
マレーシアでは、このパッケージはとても良くて、僕により適していると80%の確信がありましたが、今はこのパッケージは とても強いポテンシャルがあると100%確信しています。
新しいエアロダイナミクス フェアリングを使用しようと思います。
アンチウイリーに関して、大きく役立ってくれるし、より多くのパワーの配給にも役立ちます。
もしかしたら、もう少し改良を加え無ければいけないかもしれませんが、良い方向に向けてテストができています。
ウインターテストの目標は、今シーズンにトップポジションを争えるようになるために戦闘力を高め、強いバイクを作り上げることです。」
オフィシャルテスト (パーソナルリザルト)
1日目: 1分30秒809 (2番手/70ラップ)
2日目: 1分30秒446 (7番手/56ラップ)
3日目: 1分30秒178 (5番手/66ラップ)
タイ オフィシャルテスト 3日目の全ライダーのリザルトは以下の通りです。
MotoGP Official Test Buriram 3日目リザルト ※クリックで拡大
タイ オフィシャルテスト 日別ベストタイム
1日目: 1分30秒797 (カル・クラッチロー)
2日目: 1分29秒969 (マルク・マルケス)
3日目: 1分29秒781 (ダニ・ペドロサ)
最後に、フォルガーの代役でテストに参加している ハフィス・シャリン ですが、3日目を21番手のタイムで終えています。
シャリンも良いライダーで、実際この3日間で毎日前進しています。
しかし、去年初めてM1に乗ったフォルガーと比べてどうなのか?と考えた場合、やはりフォルガーのほうがYZR-M1に対する適応性は高かったと思います。
今回のテスト結果を見て、テック3がどのような判断を下すのでしょうか!?
今後の発表に注目です!
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