50ccのバイクは やがて無くなる!? メーカーとユーザーを圧迫する排ガス規制 EURO5



昨年秋に、排ガス規制EURO4に基づく、平成28年排出ガス規制よって様々なバイクが生産中止になりましたが、2020年から欧州の排出ガス規制 ユーロ5と国内の規制を揃えることが発表されており、さらに厳しくなります。

排出ガスに含まれる有害物質の対策みならず、2020年から施行される新基準では、OBD の高度化も挙げられています。

このOBDですが、簡単に言えば「バイクの自己診断機能」です。

平成28年のEURO4に基づいた規制で50ccのバイクも搭載が必須となったOBDですが、排出ガス低減装置の電気回路故障(断線等)を検知する簡単なものでした。

しかし、2020年からOBDの基準がStageⅡへ移行し、排出ガス低減装置の電気回路故障の検知に加え、

○排出ガス閾値診断に基づく排出ガス低減装置の性能劣化を検知

○市場における故障診断頻度を検知

○トルク低下検知

の機能が付け加えられます。

もちろん排ガスに含まれる有害物質の基準も厳しくなるので、バイクの価格が上昇するのは必須です!

2018年2月13日のYahooニュースで、ヤマハ発動機の日高 祥博社長による 次期排ガス規制への見解が掲載されていましたので紹介したいと思います。




ヤマハ日高社長「50ccは20万円まで値段を上げないと合わなくなる」---次期排ガス規制で



ヤマハ発動機の日高祥博社長は2月13日に都内で開いた決算説明会で50ccバイクの市場について「2020年の次期排ガス規制が始まると20万円近くまで値段を上げないとコストが合わなくなり、市場としては厳しい状況になる」との見通しを示した。

日高社長は50ccバイク市場に関して「悲観的にみている」とした上で、「50ccの原付のお客様は日本国内においては軽四輪へのシフト、それから電動アシスト自転車へのシフトが始まっていて、50ccの原付はずっと漸減傾向が続いている」と指摘。

さらに「2020年の次期排ガス規制が始まると、50ccの原付は20万円近くまで値段を上げないとコストが合わない状況になると思っているので、さらに市場としては難しい状況になると思っている」とも述べた。

その上で「ヤマハとしては50ccの原付市場、とくにコマーシャルユースのお客様には、是非これから電動でそれを十分カバーできるような商品で置き換えを狙っていきたい」との考えを披露した。

50ccバイクを巡ってヤマハは2016年10月にホンダと業務提携すると発表。2018年中をめどにホンダからスクーターをOEM調達することになっているほか、ビジネススクーターの共同開発や原付1種クラスの電動二輪車普及でも協業することにしている。


一方、50ccクラス以外の市場について日高社長は「250cc以上の趣味のスポーツバイクのところは、実は近年少しずつ需要は戻ってきている。各社が250ccで手頃な値段の商品を出すことによって若者が少し返ってきているということで、需要は増えている。趣味のオートバイ領域においてはメーカーの努力、それからいろんな商品の展開によってこれからも伸ばしていけるのではないかと思っている」と話した。

また125cc以下の原付2種に関しても「近年コマーシャルユース中心に利便性が高いということで市場が少しずつ増えているので、ここのところについては免許制度、いろんな働きかけを通じて原付2種が利用しやすい環境づくりに取り組んでいきたい」と期待を寄せた。

ヤマハが同日発表した2018年12月連結業績予想は売上高が前期比1.8%増の1兆7000億円、営業利益で同0.1%増の1500億円と、わずかではあるが過去最高益更新を見込んでいる。

日高社長は「営業利益予想は横ばいだが、これは為替影響が110億円、それに加えて成長のための経費増加を60億円と計170億円のマイナスサイドの影響があるが、それでも引き続き各事業が収益性改善に取り組んでいるので、少なくとも増益、増配といったところは株主の期待に応えるためにもきちっと守っていこうと、そのバランスを取りながら今年は経営していく」と説明した。


やはり、メーカーが どう頑張っても50ccの原付バイクは価格が20万円程になるのは避けられないようです。
日高 社長の言葉にあるように50ccの原付バイク市場は、電動バイクへと移行するのは必須でしょう。

過去に取り上げた「全国の郵便局のバイクが2018年から全て電動バイクへ」 という記事にもある通り、日本郵便のバイクは電動バイクへの以降が始まっていますし、何故ホンダが 東京モーターショーでPCX HYBRIDと電動バイクPCX ELECTRIC を発表したのか解る気がします。

他の排気量区分のバイクと比べ ビジネス要素が高く、趣向性が劣る50ccのバイクは、コスト面から考えて10年以内にどんどんラインナップが消えていくのは間違いなさそうです。
そして、生き残る50ccバイクは値段が上がっていくことでしょう・・・

2018年モデルのスーパーカブ50は、前年度モデルより3万8,880円値上げの23万2,200円で販売されています。
10年後には、スーパーカブ50が30万超えたりして・・・


このEURO5ですが、ここまで50ccのバイクを中心に触れていますが、50ccのバイクだけが問題ではありませんし、OBDの高度化による価格の上昇だけが問題ではありません。

平成28年規制から2020年規制までの排気ガスに含まれる有害物質の変化を簡単にまとめると以下の通りです。

●CO 1.14g/km(平成28年規制) → 1g/km(2020年規制※予定)
●NOx クラス1とクラス2は0.07g/km、クラス3は0.09g/km(平成28年規制) → 全クラス0.06g/km(2020年規制※予定)
※その他新設される規制値があり

との事で、リッターバイクにも かなり厳しい排ガス規制となっています。
GSX-R1000Rのマフラーが時代が進むにつれ、どこまでデカくなるんでしょうか・・・?




さらに、OBDの今後に関してですが、 違法改造となるパーツの取り付けに関しても防止する役目を担うことも検討されており、基準値を上回るような排気パーツを取り付けした際に、何らかのシグナルを表示するなど考えられています。

マフラー交換すら容易にできなくなるし、サブコン関連はどんどん廃れていく気が・・・
規制がどんどん私たちの楽しみを奪っていきますね・・・
時代が新しくなっても、どんどんバイクのスペックが下がって価格は上がる なんて事になったら、悲しすぎますね。

最後になりますが、2020年から適応されるユーロ5に基づく排ガス規制は、欧州と異なる日本独自の基準・規制は残っています。
今後、細かいことも発表されるであろう、2020年規制の施行内容と各メーカーの同行に引き続き注目したいと思います!



人気ブログランキング

コメント

  1. 時代の流れなので仕方ないですね。エンジン式に代わって電気式原付になり、排気量から出力制限に代わると思います。
    原付に限らず、小型、中型、大型バイクもモーターの出力で制限されることでしょう。

    返信削除
    返信
    1. コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りになっていくでしょうね。
      私は出力もしくは重量で免許が制限されると予想します。
      現在の技術ではユニットの重量面やバッテリー容量が追いついてない為、電動バイクはまだ早い気がしますがバイクに関しては、内燃機関よりも電気モーターの方が特性が合ってると私は思います。
      内燃機のバイクが完全になくなり、電動バイクへ完全移行となると悲しいのですが、電動バイクのスーパースポーツに早く乗ってみたい気持ちもあります。

      アメリカがライフル協会の影響で未だ銃社会から離脱できないように、アクラポヴィッチなどのマフラー会社に投資し、マフラー協会が政治的圧力を掛けて内燃機関が完全に無くならないようになればなぁ~・・・・(笑)

      削除

コメントを投稿