HONDAスーパーカブを通勤用に50cc、70cc、90cc乗り継いできた私にとって嬉しいニュースです。
ホンダの藤沢 武夫 専務が発案し、木村 讓三郎 氏がデザインし、本田 宗一郎 氏が開発を指揮し、「そば屋が片手で運転できるバイクを作れ」の名言は皆さん聞いたことがあるでしょう。
今から59年前の昭和33年に販売された「スーパーカブ」がオートバイで世界初の生産台数1億台を突破しました。
生産台数1億台突破を記念して10月19日に、HONDA熊本製作所で式典が開催されました。
初代モデルは1958年8月に旧埼玉製作所和光工場で量産を開始され、1961年に台湾でノックダウン生産を開始し、現在は世界15か国16拠点で生産が行われています。
今日の式典で11月10日(金)から発売される、モデルチェンジした「スーパーカブ」の最新型も披露されました。(記事中にて新型カブについても触れます。)
今までのカブの生産拠点は中国でしたが、来月発売の新型カブの生産拠点は、日本の熊本製作所に移管されます。
代表取締役社長の八郷 隆弘 氏は、
「日本で誕生したスーパーカブは、『すべての人に生活の可能性が拡がる喜びを提供する』というホンダの思いを、お客様の声に答えて具現化してきたことで、世界各地で長い間ご支持いただき、『スーパーカブ』シリーズ世界生産累計1億台を達成することができました。
今後も、時代の変化に合わせて進化し、お客様の期待を超える商品を提供できるよう取り組んでまいります」
とコメントしています。
ちなみに、商品名の「カブ」ですが、英語で「猛獣の子供」という意味です。
小さいエンジンでもパワーがあることをアピールするため名付けられ、時代を越えて新しいものを作るという思いを込めて、頭に「スーパー」がつけられました。
発売当時、エンジンはライバルメーカーの50ccのバイクに比べ2倍以上の馬力があり、ガソリン1リットル当たり90キロ走ることができる優れた燃費性能も備えていました。
同排気量で2倍馬力があって燃費も良ければ、そりゃ誰だって買いますわね!
ちなみに泥除けカウルは、当初付ける予定は無かったのですが、藤沢専務の奥方が試作機を見た時に
「エンジン部分が鳥の臓器が飛びててるみたいで気持ち悪い!」
と言ったことで当時最新鋭でとても高価な機械だった「プラスチック製造機」を導入して作られました。
プラスチック製造機を導入したことで会社の経営が傾いてしまう事態になったのも何ともホンダらしいエピソードですね。
あまり知られていませんが、
現在のバイクで主流となっている17インチのタイヤを日本で初めて採用したのもこのスーパーカブです。
こうして、ホンダ渾身の作とも言えるスーパーカブは、消費者のニーズをガッチリ捉え、発売から2年後には年間の生産台数が56万台を超え、当時、国内で生産されるオートバイの半数近くを占めるまでになりました。
現在は四輪のフィットやN-BOXを作っている鈴鹿製作所ですが、スーパーカブがバカ売れした為、スーパーカブ専用の工場として建てられました。
ちなみに、この鈴鹿製作所を作るときは周りは猛反対していました。
しかし、本田 宗一郎 氏は周囲の反対を押し切り増産を決意したのです。
スーパーカブの発案者である、藤沢 武夫 専務が「原付を開発しましょう」と話を持ち掛けた時は、ドリームD型で成功したから、原付なんかじゃないもっと凄い「ちゃんとしたオートバイ」が作りたいという理由で、当初スーパーカブを作るのを否定的だった宗一郎 氏なのに、
カブがバカ売れすると周囲の反対を押し切って増産!
しかも、工場まで建てちゃうなんて、宗一郎さんらしさを感じます。
そんなスーパーカブには根強いファンが今でも多く、スーパーカブ ユーザーを「カブ主」と呼ぶことがあり、「カブ主総会」と称するファンミーティングも全国で行われています。
写真の通り、カブ主の為のiPhoneカバーも販売されています。
書籍化は勿論、スーパーカブの映画もあります!
何気に映画は面白かったです。
と、スーパーカブの余談はこの辺にしておいて、式典で発表された11月10日(金)から発売となる新型のスーパーカブに話を移したいと思います。
発売されるモデルは、「スーパーカブ50」「スーパーカブ110」と、積載性に優れた大型のフロントバスケットとリアキャリアを標準装備したビジネスモデル「スーパーカブ50 プロ」「スーパーカブ110 プロ」になります。
気になる販売価格は、
スーパーカブ50
232,200円(消費税抜き本体価格 215,000円)
スーパーカブ50 プロ
253,800円(消費税抜き本体価格 235,000円)
スーパーカブ110
275,400円(消費税抜き本体価格 255,000円)
スーパーカブ110 プロ
297,000円(消費税抜き本体価格 275,000円)
となっております。
新型 スーパーカブの特徴
●エンジン
・低フリクション技術を随所に採用した高効率の空冷・4ストローク・単気筒エンジンを搭載
・さらなるタフネス性と低フリクションを追求したピストンおよびシリンダーの採用
・新たに交換式オイルフィルターを追加したほか、ドレンボルト部にスクリーンフィルターを配置
オイルレベルゲージは挿入ガイド部を設けた形状に変更するなど、オイル交換時の優れたメンテナンス性を実現
・シフトドラムの回転軸をニードルベアリングで支持することで、より滑らかで軽く、節度のある変速フィーリングを実現
・2段キャタライザー式エキゾーストマフラーの採用などにより、平成28年排出ガス規制に対応
●スタイリング
・レッグシールドからリアフェンダーにつながる滑らかな曲面で構成したボディーライン
・ボディー両サイドに取り外し可能なサイドカバーを採用。
右サイドカバー内側のボディーにECUなどの電装系部品を配置しメンテナンスのしやすさに配慮。左サイドカバー内側はメンテナンスノートなどを収めるスペースとすることで、使い勝手をより高めている
・丸形のヘッドライトには省エネルギーで長寿命なLEDを採用。
アンバー色のウインカーレンズと相まって、すっきりとしたスーパーカブの伝統的なフロントデザインを実現
・メーターパネルは文字盤の見やすさを考慮したデザインとし、LEDインジケーターランプを採用するなど、コンパクトなデザインとしながら優れた視認性を実現
・被視認性に配慮した、丸みのある縦長タイプのテールランプを採用
●その他
・シートのウレタン素材と底板形状を最適化し、優れた座り心地と足つき性の良さを実現
・スーパーカブ110では、ドライブチェーンをサイズアップし、さらなる耐久性と長寿命化に配慮
・スーパーカブ50の車体色は、パールシャイニングイエロー、バージンベージュ、ムーンストーンシルバーメタリック-U、タスマニアグリーンメタリック、アーベインデニムブルーメタリックの5色設定。
スーパーカブ110の車体色は、グリントウェーブブルーメタリック、クラシカルホワイト、バージンベージュ、タスマニアグリーンメタリック、アーベインデニムブルーメタリックの5色設定。
ビジネスからパーソナルユースまで幅広い用途でお客様の好みに応じるカラーバリエーションとしています
新型 スーパーカブ プロの主な特徴
・優れた取り回しに寄与する小径14インチタイヤの採用と、積載性に優れた大型のフロントバスケットおよびリアキャリアを装備
・駐車時に便利なフロントブレーキのロック機構と、積載時の安定感に寄与する強化サイドスタンドを装備
・エンジン停止時でも、キーをオンすることで使用可能なポジションランプを採用
・省エネルギーで長寿命なLEDヘッドライトを採用
・スーパーカブ110 プロでは、ドライブチェーンをサイズアップし、さらなる耐久性と長寿命化に配慮
・車体色は、ビジネスシーンに適した落ち着きのあるセイシェルナイトブルーの1色設定
主要諸元
ついこの間、スーパーカブの50周年だったのに、来年は60周年なんですね・・・
今、通勤のアシはPCXなんですが、やっぱりカブ欲しいなぁ・・・
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