5月にDUCATIがフォルクスワーゲングループから売却されると噂があったのですが、ついにロイター通信が報じました。
5月に噂が出たときは、ブルームバーグが報じたのですが、買手としてはCVCキャピタル、ペルミラ、ヒーロー・モトコープ、ロイヤル・エンフィールズといった会社や投資コンサルタントが最終の候補と報じていました。
しかし、22日にロイター通信は関係者の話として、米二輪車メーカーのハーレーダビッドソンが、イタリアの同業ドゥカティを買収するため、入札への参加を準備していると報じました。
買収額は15億ユーロ(約1860億円)に上る可能性がある。との事です。
また、インドの二輪車大手バジャジ・オートや複数のファンドも入札に向けて準備を進めているとの事。入札は7月の予定ですが、買収先が決まるまでには時間がかかる可能性もあります。
ドゥカティは現在、ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の高級車部門アウディの傘下にあり、フォルクスワーゲングループは、排ガス規制逃れ問題を受けて経営戦略を見直す方針で、それにドゥカティの売却益を活用するそうです。
7月22日追記:「ハーレーダビッドソン、ドカティ買収を断念。」をご覧下さい
もともとドゥカティはバイク好きでもあった前VWアウディグループの会長、フェルディナント・ピエヒ氏の意向で2012年のドカティ買収が実現したとも言われます。
これまで、カジバの傘下だったり、アメリカテキサスのパシフィックグループ傘下だったりしましたが、現在のドゥカティはVWアウディグループ傘下にあり、その株式についてはほとんどをランボルギーニに持たせて、これまで活動を行ってきました。
しかし、ランボルギーニとドゥカティとは立地的にも近く、これまでも何度か共同でイベントなどを開催していますが、イベントを除くとグループとしての効果について結びつかず、ディーゼル不正事件で資金的に苦しいVWは、ドカティを売却の対象にしました。
アウディCEO、ルパート・ステッドラー氏はドゥカティを”もっとも利益の出るバイクメーカー”と発言しており、本心としては売りたくないのかもしれませんね・・・
マン島TTのTT-ZEROクラスや、2019年からmotoGPでの電動クラスが開催される等の動きを見ると、これからバイクについても必ず電動化の波がやってくる事は間違いないと思います。
しかし多くのバイクメーカーはこの波に乗れないと私は思います。
ハーレー・ダビッドソンは電動化のニュースがちょくちょく出てますが、技術的にどうなんでしょうか?
BMWとHONDAは電動化の波を乗りこなしそうな気がしますが・・・
VWグループは、EV技術に関しては高いレベルを持ってますし、それを考慮すると「ドゥカティの電動モデル」で一気にバイク市場を席巻できる可能性がありました。
さらにDIAVELの売り上げが好調なドカティをここで売却してしまうのは、バイク部門からの観点を見るともったいないない気がします。
(写真はハーレーダビッドソンの電動バイク「ライブワイヤー」ですが、こいつを真っ赤にしてDIAVELとして売りそうな気が・・・)
話をVWに戻しますが、VWはディーゼル不正事件の損失額がハンパなく、ドカティへの投資を縮小せざるを得ないのは、仕方ないことだと思います。
すこしでも損失を抑えるため、本業以外の売れるものは売る、という決断も仕方ないですね・・・
しかし、ハーレーダビッドソンの場合は、「初心者にオートバイへの関心を持たせ、ハーレーダビッドソンに惹きつける為」という口実でビューエルを買収しておきながら、生産をハーレーダビッドソンブランドに集中させるためにビューエルを手放した前科があるので、いつ手放すか少し怖い気がします。
最近では、2008年8月8日にMVアグスタグループを買収しています。
しかし、2009年10月15日、ハーレーダビッドソンはMVアグスタの経営から手を引くことを発表し、ハーレーはMVアグスタをクラウディオ・カスティリオーニに売却しています。
カワサキが買って、ドカワサキになれば、WSBKは実質無敵でしょうし、スズキが買えばグラディウスのエンブレムを変えるだけで済みますね(笑)
一体どこがドカティを購入するのか!?
7月の入札結果を待ちましょう!!
7月22日追記:「ハーレーダビッドソン、ドカティ買収を断念。」をご覧下さい
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