構造と進化を知って上手くなろう グリップ力って何だ?編1

今日からは、タイヤのグリップ力についてマニアックに考えながら書いて行こうと思います。

まず、グリップ力と言うのはライダーにとっては命綱みたいなものです。

第一、タイヤがグリップしなかったら怖くてまともに走ることなんかできない と言うのが私を含む大体のライダーの意見だと思います。
実際に私たちがバイクに乗っていて感じる不安は、このグリップ力によるものが大きいのではないでしょうか?

ただ、そのグリップ力の特性は、トレッド部のゴムだけではなくタイヤのケーシング全体で決まってくるものです。
ですが、先ずはトレッド面と路面との間のグリップ力だけに注目して話を進めていきたいと思います。
基礎知識ですが、タイヤのトレッドに使うゴムの事をコンパウンドと言っています。
コンパウンドとは本来、複合物の事です。
ベースとなるゴム(合成ゴムが多い)にカーボンブラックやオイル(鉱物油)を配合して練り合わせて作り、その配合で大きく特性が変わってくる為そう呼んでいます。
実はこのコンパウンドの質によって、グリップ力は勿論、グリップ力が高いか低いかのグリップレベルの問題だけでなく、タイヤがグリップを失い滑る時の滑り方も大きく変わってきます。
さらにそればかりか、バイクのハンドリング自体にまでも大きく影響してくるものです。
グリップは間違いなくライダーにフィードバックされてきます。



この記事を読んで、その事を体感するためのヒントになればうれしいのですが、(あくまでも個人的意見なので異論は認めます。)先ず最初に頭に入れておいて欲しいのは「タイヤの感じ方」です。
普通、タイヤのグリップ力を感じる時、丸い輪をしたタイヤの形をイメージしがちです。そうではなく今、自分のお尻の下で路面と接している潰れたトレッドの接地面をイメージの中で捉え、感じていくのです。
決して、タイヤは丸いもので路面との接地面は一つの点と捉えるのでは無く、面で感じることが大事です。
その一つの接地面だけに集中してやると、タイヤのグリップと言うのは凄く説明しやすいのです。
丁度その接地面をランニングしている靴の底みたいに考えてやる感じです。
(ランニングの靴の例えをしましたがこの例えは次回の記事に出てきます。)

さて、タイヤのグリップ力とは、どのようにして生まれてくるものなのでしょうか?
路面のアスファルトと木片や金属片などとの個体同士の摩擦だと、表面の細かい凹凸が嚙み合って摩擦力を生んでいます。
しかし、路面とタイヤの場合ではグリップのメカニズムはこれとは少しだけ異なります。
どういう風に異なるかは、また明日解説していきたいと思います。

とりあえず、今日言いたかったことはグリップは面で感じよう! です。
これだけイメージしてくれれば十分だと思います。

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