構造と進化を知って上手くなろう ブレーキ編2

最近のバイクはディスクの材質に関しては、市販車のほとんどがステンレス製になっています。
鋳鉄と比較して錆びないからです。





昨日の記事で書いた様に、MotoGPで使用するカーボンコンポジットのディスクとパッドの組み合わせはドライ環境でしか使用できず、摩擦係数の温度依存性が高いため、市販車に採用されることはまずありません。


ステンレスディスクに使用するパッドには多くのブランドが存在しており、自分に合ったものを選ぶことで味付けを変えることができます。
パッドはディスクの摩擦面に直接作用するのでその分違いが分かりやすいです。
高性能と言われるパッドはシンタードまたは、メタルパッドと呼ばれ、金属を含む粉末の材料を高温で固める「焼結」と言う方法で作られています。
メタルパッドの特徴として、この成分配合により摩擦特性を変えることができます。
握った瞬間に摩擦が立ち上がる特性の方がコントロールしやすいと言われますが、総じてμの高いパッドは逆に奥で聞くという特性があります。
また、セラミックパッドの様にフェノール樹脂を使用しないため、フェードと言う摩擦面に樹脂がガス化して制動力低下させる現象が起きない物もあります。
ブレーキを手軽にグレードアップする方法として、ブレーキパッドの交換は最適だと言えます。
純正のブレーキパッドは一定のコストの範囲内で、多様な使用環境に対応する性能を与えられたバランス型といえるものが多いです。
アフターパーツの中にはバランス型だけではなく、スポーツ走行向けの強力な効きを持つものや、雨天に強いものなど、いろいろなパッドがラインアップされています。
ブレーキパッドの種類を知り、特性を知れば自分の乗り方にあわせたパッド選びがきっと楽しめるはずです。
用途にあった適切なブレーキパッド選択で、愛車の性能や安全性をもっと高めてみませんか?


シンタードパッドの特徴

高い性能を実現するシンタードパッドは、金属系の摩擦材を高温で焼き固めて製造されたパッドがシンタード(焼結)パッド。
摩擦係数が高く、強力な制動力を実現しています。
また、表面が多孔性のため水が停滞しにくく、雨天でも性能が変化しにくいのが特徴です。他の素材に比べてディスクへの攻撃性が高い場合がありますが、ハードなブレーキングに向いているため、多くのメーカーのスポーツモデルに採用されています。
ただ、コストが高く、頻繁にブレーキを使う街乗りでは費用対効果が弱点です。



セミメタルパッド


安価でハイパフォーマンスを実現するセミメタルパッドは、樹脂に金属成分を混ぜた摩擦材を使用しています。
「赤パッド」が有名ですね
ブレーキの効き方が素直で、コントロールしやすい傾向にあります。
また、比較的ディスクへの攻撃性も低くなっています。
ただ、その分雨天時に性能が落ちる傾向が弱点と言えます。
制動力は絶対性能でシンタードに劣る場合が多いですが、近年は技術の進歩による十分な性能を持っています。
価格は比較的安価で、一番ベーシックなパッドと言えるでしょう。




オーガニックパッド


制御しやすくディスクに優しいのがオーガニックパッドの特徴です。
繊維系の素材を樹脂で固めています。
今回紹介する3種類の中ではもっともブレーキディスクへの攻撃性が低くなっています。
また、タッチがソフトなため他のパッドよりコントロール性が高いものが多いのも特徴です。

ただ、絶対的な制動力という面ではシンタードを上回ることが難しいのが弱点。
しかし、他のパッドにはない独特のタッチを支持するライダーは多く、特にストリートにおける優れたブレーキフィーリングは魅力的です。

この記事を読んだついでに、この際パッドの点検をしてみてはいかがでしょうか?


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