構造と進化を知って上手くなろう ライディングポジションがハンドリングに与える影響2

ライディングポジションがハンドリングキャラクターに大きく影響することは、解ってもらえたと思います。


わずかなライディングポジションの調整でハンドリングが見違えるようによくなったり、反面チョット間違うととんでもなく乗りにくくなったりするものです。

現在のバイクは様々なカテゴリーに多様化しています。

そうなるとハンドリングも多様で、メーカーとしては違ったカテゴリーのバイクには調整の範囲を超えたライディングポジションの設定が必要になってきます。


スーパースポーツのキャスター角が立っていることは、数日前の記事に記載したのでお分かりだと思いますが、そうした剛性のバイクでは、よりフロントの仕事を高めてやるとともに、キャスター角を立てることで損なわれる安定性を補うために、前輪分布荷重が高くなっています。

同時にライダーも前荷重にできて、前後方向の体重移動の自由度を高められるように、ライディングポジションも前傾させる必要が出てきます。

ところが、アメリカンモデルではフロントの仕事をマシン任せにして、リヤタイヤの上に快適に座っているようなライディングポジションが似合ってきます。

ネイキッドやオフロードバイクは、中間的な物ともいえると思います。
ライディングポジションとバイクカテゴリーの関係を一般論として言うと、スーパースポーツなど立ったキャスター角のバイクには、前傾度の高いアグレッシブなライディングポジション、アメリカンモデルなどの寝たキャスター角の物には、状態が起きてステップも前方にある快適性志向のライポジとなります。
それぞれのハンドリングキャラクターとライディングポジションが見事にマッチングしているのは、単なる偶然でも、今綴ってきた理論が先行したものではありません。
それぞれが進化を重ねてきた結果なのです。


スーパースポーツ
最も前傾姿勢が強くアグレッシブなライポジを持ちます。
フロントに加重しやすくするとともに、積極的な前後方向の体重移動をしやすくしており、そのためシート高も高めです。
最近のモデルでは、燃料タンクを短くし、ライディングポジションをスリム化させる傾向があります。

アメリカン

スーパースポーツとは両極端のライポジを持つ、特にフォワードコントロールと呼ばれるスタイルでは、足を前方に投げ出し、低いシートにドカッと座り込んで、ハンドルは手前に引かれています。後ろよりのライポジで乗れるハンドリングです。

ネイキッド

ライポジは(車体ディメンションも)スーパースポーツとアメリカンの中間的な特性を持ちます。快適かつスポーティーにも乗れるライポジです。同じネイキッドでも、スーパースポーツ寄り、アメリカン寄りの物もあります。

オフロード

ステアリングのアライメントに注目してもネイキッドに近く、ライポジもそれに近いと言えます。ですが、荒れた路面を走るためハンドルはワイドで絞られておらず、抑え込みやすく、ステップ位置もバイクの上で中腰に身構えることを前提にしています。




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