構造と進化を知って上手くなろう カウル編2

量産車にフェアリングが採用されだしたのは、1970年代以降です。1960年代には旧来の重くて高価なアルミ製フェアリングから、軽量で比較的安価なファイバー素材のフェアリングがロードレースの世界に普及しました。そのレーシーなイメージを量産車に取り込む効果だけではなく、実用的な効果もフェアリングは量産車にもたらしました。

1969年のホンダCB750フォアの登場以降オンロードスポーツの750cc化が始まり、大排気量化が一気に進んだのは皆さんご存知の通りですが、モーターサイクルの高速化に伴って、ウインドプロテクション効果の高いフェアリング採用の期待が、一般のライダーたちにも一気に高まりました。

そして現在では、スーパースポーツやツアラーだけでなく、大型デュアルスポーツ、クルーザー、そして一部のネイキッドにもフェアリングの装着が定着しています。


走行性能を高める機能パーツとして、ライダーを保護するプロテクションとして、また、スタイリングを演出するための外装パーツとして、各国のメーカーは様々なデザインのフェアリングをそれぞれのモデルに与えてきました。

運輸省(当時)が国内使用車のフェアリング装着を認めてから、今日までに約30年間が過ぎましたが、各メーカーは弛まぬ努力を続け、それぞれのモデルに適したフェアリング作りに日々取り組んでいます。


HONDA CBR750AERO ~1987~ 

V4が主流の時代に、並列4気筒のCBR系は250cc・400cc・750cc・1000ccをフルカバードデザインでリリースしました。
この750にはハリケーンの相性が与えられました。

BIMOTA DB1 ~1985~
ガジバとの幻のプロジェクトを引き継ぐ形でフェデリコ・マルチーニがまとめ上げたバイクです。
当時人気のバトル オブ ザ ツイン でも活躍したモデルです。

BUELL RR1000 ~1987~ 

後期型ルシファーズハンマーのシャシー製造者のエリック・ビューエルの作品です。
エンジンはハーレー・ダビッドソンのXR1000の物を搭載しています。
現在は独自でEBR(エリック・ビューエル・レーシング)を立ち上げWSBKにも参戦しました。


SUZUKI GSX-1300R Hayabusa ~1999~ 


市販車で一番最初に300km/hオーバーを実現した革命児で、実測で315km出ます。
アンダーカウル後ろ側がエキパイを挟むようにカウルがデザインされています。
エキパイの後ろの羽はネジ止めで取り外し可能ですが、この羽を取って走ると315km/hは出ないそうです。

KAWASAKI ZX-12R ~2000~

世界最速にこだわってきたカワサキがスズキの隼に対抗するために生み出された車両です。
実測で309km/h出ます。
固すぎるサスとフレームのせいで、全然曲がらないバイクでした。
隼と乗り比べると「2次旋廻ってものを12Rは知らないのか!?」というくらい曲がりません。
2年後にはマイナーチェンジでコレじゃ不味いだろと思ったのか、140箇所の変更を加えました。
(もはやフルモデルチェンジじゃね・・・?)ちなみにこのZX-12Rもアンダーカウル横にある羽を外すと最高速が落ちます。
レース車両と羽の話は別記事で書いたので、あえてここは市販車だけに振れてみました。
本当はレース車両の方が、たくさん その時代のテクノロジーやアイディアが取り入れられていて面白いのですが・・・機会があったらまた書きます。




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