構造と進化を知って上手くなろう サスペンション編2

前回の記事でフロントフォークの技術的な進化を述べました。
リヤサスはフロントに比べ、技術的なチャレンジが多いです。





70年代まで主流だった2本サスから、80年に登場したRZ250の”モノクロス”を皮切りに、モノサスが一気に広がりました。

各メーカー独自のリンク機構を開発し、プログレッシブ効果(大雑把に言うとストローク初期は柔らかく、奥に行くほど反発力が大きくなる特性)を狙いました。
そして、モノサスはショックユニットの配置など、様々なチャレンジを行いながら現在も進化を続けています。
2本サスにおいても、ショックユニットの進化やレイダウン装着などにより、基本構造こそ従来と変わらない物の、プログレッシブ効果は大幅に向上しています。
近年はレース技術として、ショックユニットの固定方式も重要度を増してきました。


一般的にショックユニットの一端はフレーム側に固定されており、ショックの両端にリンクを設けるタイプの場合でもリヤサスがストロークする際にはフレームに相応のサスペンション荷重が加わります。
そのため、取り付け部分には強度が必要になりますが、これがフレームの剛性バランスに影響を及ぼして狙ったハンドリングを生み出せなくなる問題が発生してしまいます。









そこで、ショックユニットをフレームでなくエンジンで支持したり、メインフレームにサスペンション荷重をかけないリンク機構などが2000年代から登場し、市販車にも採用され始めました。
ちなみに、「フレームの剛性バランスに影響を及ぼして狙ったハンドリングを生み出せなくなる」と書きましたが、エンジンや車体の設計上リヤサスの配置する場所が確保できない時等もリンクを設けて変わった位置にリヤサスと取り付ける場合もあります。





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