構造と進化を知って上手くなろう コーナーリングフォース編1


若葉が美しいバイクには最高のシーズンになってきましたね。
サクラの花は散ってしまいましたが、こちらのsakuraは散ることがありません。
個人的に好きな車両なので、2007年の東京モーターショーのXS-V1 Sakuraを画像にしてみました。
このバイク コンセプトモデルで終わるのには勿体ないなぁ~ 市販すればいいのになぁ~
と思ってもう10年も経つんですか・・・時が流れるのは早いものですね・・・

ここ最近、マニアックな内容になってきていて、自分でも書いてて「こんな固い記事ばかり書くのはどうなんだろう・・・」
と思っていますが、折角なんで、自分の中で踏ん切りが付くまではウンチクを書き綴っていこうと思います。
「書いている事を、理解しろ!」とは言いません。
明日忘れても結構です。

ただ、バイクがどういうメカニズムで曲がるのか仕組みを一通り読んで1分でも考えていただければ、きっとより良いバイク生活が送れるかもしれないので、もうしばらくお付き合いくださいm(__)m

さて、本題に入ります。


バイクが曲がることで、遠心力が生じます。
バイクはタイヤが曲がる力を発揮してくれるおかげでコーナーリングできるのです。
もし、タイヤが遠心力に対抗してグリップしてくれないと、滑って真っすぐ行ってしまいますし、またグリップしても、タイヤはそれに持ちこたえてくれないと、腰砕けになってしまいます。

うまくできたもので、バイクを傾けることで、タイヤにはキャンバースラストが生じ、そのことでバイクは曲がり始めることができます。

ところが、遠心力はバンク角に対し、どんどん大きくなるので、必要となる曲がるための力は、次第に頭打ち傾向となるキャンバースラストだけでは足らなくなります。

つまり、キャンバースラストの他にも曲がる力が必要となるのです。

ここではそれについて話を進めます。
バイクを寝かせるに従い、タイヤは増大するグリップ力に持ちこたえられなくなって、たわみ始めます。
トレッド部は路面とグリップしていても遠心力でビード部はアウト側に押しやられようとして、サイドウォールが横にたわむのです。

ここでタイヤが止まっているなら、サイドウォールは単純に横にたわむだけです。
でも実際には、タイヤは回転しています。
横にたわんだものが回転しながら前進するので、タイヤの向きと実際の進行方向の間にはズレが生じます。
これによって、サイドウォールはねじられるのです。

つまり、この時タイヤはねじれ変形に対する抵抗力によって曲がる力を発生していることになります。

タイヤの向きと実際の進行方向のズレ角をスリップ角と呼びます。
スリップ角と言っても、トレッドと路面の間でスリップが生じているわけではありません。
両者の関係は動かない状態にあっても、タイヤがねじれることで、あたかもスライド走行しているようなズレ角が生じるのです。
そして、そのスリップ角によって生まれる曲がる力の事を、コーナーリングフォースと呼ぶのです。

とりあえず、今日はこの辺で切り上げます。
明日はさらに「タイヤが曲がる力」について細かく突き詰めていきます。




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