構造と進化を知って上手くなろう ライディングポジションがハンドリングに与える影響1

バイクはライダーが荷重を与えることによってコントロールできる乗り物です。

そのため、ライダーがバイクのどこに乗ってバイクのどの部分に加重しやすいか、そしてライダーがどのように体を移動して与える荷重をコントロールできるのか と言ったライディングポジションに関する問題が、ハンドリングにも大きくかかわってきます。


ライダーの乗車位置が前方にあるほど、そして状態が前傾しているほどライダーはフロントに加重しやすくなります。


レーシーなバイクは体重はフロントにかかり、チョッパーでは体重はリヤに留まっています。
もし、チョッパーのライポジでスーパースポーツに乗ったら、初期旋回でフロントから回り込めず、立ち上がりでは超アンダーになるばかりか、フロントが浮いてどうしようもないことは想像が付きますね。

また、ハンドルバーが絞られておらず、グリップ位置が前にあれば、積極的にステアリングに加重しやすくなりますし、フロントをダイレクトに感じやすくもなります。
逆にライダー寄りに後方に伸びているほど、快適指向と言うわけです。

シートが高く乗車位置が高いと、バイクの重心に対し、ライダーの加重点が高くなるので、テコの原理で倒しこみを軽くすることができます。

動的な見方をしても、ライダーがよりダイナミックに体重を移動させやすく、スーパースポーツには高めのシート高が与えられていつ事が多いです。

中には、Ducati 999 のように、あえてシート高を低めにしてライダーをマシンの重心に近付け、ダイレクトなコントロール感を得ているマシンもあります。

ステップは低い方がステップワークによる挙動の乱れも少なく安定志向ですが、テコの原理でコントロールを軽く感じる側面も併せ持ちます。
(ステップを支点としたときの力点であるシートとの距離が大きくなるため)

また、ステップ位置は、ある程度高い方がシートとの距離が小さくダイナミックに体を移動しやすいです。

バックステップに交換し「レーシーだから」と言って、一番バック&一番アップの位置にステップを取り付けていませんか?

バイクにまたがった時に正座バイクになっていませんか?

一番最初に言ったように、「バイクはライダーが荷重を与えることによってコントロールできる乗り物です。」
自分の体格、乗り方、に合ったポジションに設定しましょう。

自分に相応しいポジション位置に設定出来た時に、バイクの動きの変化を感じ取れるはずです。
その時何故バックステップがあんなに効果なのか納得がいくと思います。

私の場合、ステップバーをローレット加工の深いバトルファクトリー製の物に交換しています。

レーシングブーツの底は削れやすいですが、サーキット走行で踏ん張りが効かないと嫌なので、何年も前からステップバーだけはバトルファクトリー製の物へ交換して使っています。

さらに、ブレーキペダルの踏み込みの力加減を解りやすくするために、スプリングではなく、画像の様にゴムを使っています。

理由は踏み込む抵抗がある程度強めが好きなのと、好みの強さに簡単に調整できるからです。
ブレーキ編で書きましたが、ブレーキにはコントロール性が大事なので、ちょっと触っただけでリヤブレーキがMAXまで効いたりしないように、強めの反発抵抗にしています。

話がそれましたので、戻します。
ステップの前後位置に対し、燃料タンクが短いほど、ライダーは前方へのダイナミックな体重移動も可能になります。

近年のスーパースポーツでは、軽快さとさらなる体重移動の自由度向上を求めてライポジのスリム化の大きなテーマになっています。
ライポジがハンドリングに与える影響は非常に大きいのです。



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