構造と進化を知って上手くなろう ディメンション編1


バイクのハンドリングを決定する大きなファクターの一つがステアリング系のアライメントです。

見た目にも違いが明らかなのがキャスター角です。

コレはヘッドパイプの角度の事で、基本的にヘッドパイプとフロントフォークは並行なので(例外もありますが・・・)フロントフォークが立っているか寝ているかでハンドリングのキャラクターを伺い知ることもできるわけです


キャスター角が寝ている方が、ステアリングがバイクの傾いた方向に自動的に切れてバランスを取る働きが大きいです。
それはいろんな要素が絡み合っての事ですが、もしキャスターが直立していたら、独りでにはステアリングが切れにくい事をイメージしてもらえばわかりやすいでしょうか?

そして、キャスターが立っているほどステアリングが切れた時にフロントタイヤに生じる舵角が大きいという性質があります。
上記のことも水平位に寝たキャスターを想像すればわかってもらえると思います。
その場合、ステアリングを切っても前輪は傾くだけです。


次に注目したいのがトレールです。
これは操舵軸の延長戦と設置点の路面上における距離の事です。
前輪の設置点は、トレールの距離だけ後方で操舵軸に引っ張られています。
そのことによって、設置点は操舵軸の真後ろに戻ろうとするわけでトレールが大きいほどステアリングの復元性が高いのです。
寝たキャスター角には大きめのトレールが組み合わされることが常です。
つまり、ひとりでにステアリングが切れる効果が大きいと共に、それを元に戻そうとする効果も大きい事になります。
そのため、アメリカンモデルなどは、ゆったりとした安定性を伴ったハンドリングを得やすいというわけです。
一方、キャスター角が立っているとトレールも小さくなりがちで、ゆったりとした乗り心地は得にくいですが、ステアリングが切れた時の実舵角は大きく運動性が高まります。
そのため、スーパースポーツのキャスター角を立たせるとトレールは小さくなり、オフセットを小さくすることでトレールは大きくなります。
オフセットはステアリングの重さでステアリングが自動的に切れる効果にも影響しており、これら3つの影響はお互いに絡み合っているのです。

明日へ続きます。



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